帝国ホテルの高級ランチ - レ セゾン
2000年 東京都:都心部 国:フランス「帝国ホテルのランチは4,000円なんですよ」
仕事でコンビを組んでいたF子がそう言った。それは「4,000円もするから高い」という意味ではなく「わずか4,000円だから安い」という意味らしい。むぅ。
10月から日比谷で働いている。帝国ホテルは目と鼻の先だ。F子はかつて、そのレストランで働いていたらしい。話に聞く帝国ホテルのランチ。私は勢いに任せて、F子とランチを食べに行くことにした。もちろん、社長である私のオゴリである。すっかりノせられていた。
フランス料理 レ セゾン
訪れたのは本館中2階にある「フランス料理 レ セゾン」というお店。当然のことながら、この系統の……このランクの店に入ったことはない。案内されて、席に座る。もうね、カチコチですよ。F子の方は昔の職場を懐かしみ、いろんな思い出話をするのだが、半分も耳に入っていなかった。
※レ セゾン外観:食事中はカメラを出せなかった
──食事の味はよく覚えていない。「これぞフランス料理」といったランチだった(と思う)。
途中、案内役の人が「お飲み物などいかがでしょう?」と聞いてきた。種類も値段も言わない。なんでも用意するし、値段によって注文を控える人もいないのだろう。私は「水でけっこう」と断った。いま思えば、別料金であろうとなにか注文しておけばよかった。
※銀河英雄伝説の世界か
F子の話によれば、とにかく贅の限りを尽くしたレストランなので、バブル最盛期ですら赤字だったらしい。たとえば、ジャムの小瓶を絨毯に落としたら、その小瓶は廃棄されるらしい。絨毯に落ちたかどうかなんて見分けがつかないだろうに。私には想像もつかない世界だ。
※日本でいちばん高いコーヒーがあるというラウンジ
会社を興して2年。
いつか私も、そんなブルジョアな世界に行けるのだろうか?
そしてそこは、幸せのある世界なんだろうか?