あつた蓬莱軒 / ひつまぶしを堪能する

2004年 愛知県 #山陰ツアー 穴子・うなぎ 郷土料理 郷土料理百選
[WGS84] 35.120163, 136.906943 - Google Earthで開く(kml)

「お昼ごはんも調べてあるの!」

といって妻が案内してきたのは、「蓬莱陣屋」というところだった。「あつた蓬莱軒」という呼び名もあり、こちらの方が一般的らしい。

あつた蓬莱軒は、大きなお店だった。
古い民家を増改築したところ...に見える。実際に従業員が住んでいるとは思えないが、とにかく民家風だった。町家(まちや)風っていうのかな。奥に通されて、畳の上に座る。さらに奥に案内される客と、食べ終わって出てくる客が見える。雰囲気的には、東京水天宮の「玉ひで」に近いかな。
ひつまぶし(2,415円)を2人分、注文する。

あつた蓬莱軒・ひつまぶし
※お邪魔します

あつた蓬莱軒本店(蓬莱陣屋)

明治6年(1873年)創業の老舗。愛知県三河産のうなぎを主に使用している。薬味や秘伝のダシをかけてお茶漬け風で食べるひつまぶしは、1人前で1匹半のうなぎを使うぜいたくさ。「ひつまぶし」は蓬莱軒の登録商標。
※発祥店については、蓬莱軒といば昇の2説あるようだ。

ひつまぶし(櫃まぶし)

「ひつまぶし」とは、ごはんの入ったおひつに、細かく刻んだウナギの蒲焼きを載せたもの。もともとは、冬にウナギの皮が固くなるので、これを美味しく食べる工夫であったらしい。「ひつまぶし」は名古屋名物のひとつだが、最近は東京でもちょくちょく見かけるようになった。
※私だけではないと思うが、「ひまつぶし(暇潰し)」と読み違えていた。

さてさて、運ばれてまいりました。
おひつのふたをとると、ウナギがぎっしり、みっちり詰まっている。どこからしゃもじを入れていいのか迷うほどだ。「まぶし」というので、混ざっているものを想像していたがちがうね。

あつた蓬莱軒・ひつまぶし
※これがひつまぶしか

あつた蓬莱軒・ひつまぶし
※みっちり

伝統にしたがって、手順どおりに食べてみよう。

一膳目はそのままうなぎの味を...
二膳目は薬味を加えて、ちがった味わいを...
三膳目はお茶づけにしてサラサラと...

ハッキリ言って、鰻重や鰻丼よりもうまい。

なにがちがうのだろう。ウナギの食感や風味も違うけど、ひつまぶしの方が下品に、ダイナミックに食べられるのがいいね。鰻重は上品すぎる。鰻丼はかっ込めるけど、それでもごはんとウナギの量をそれなりに気にしている。
ひつまぶしは、考えなく楽しめる。いろんな食べ方ができる。これは大きい。

あつた蓬莱軒・ひつまぶし
※うまかった

お好みの食べ方だが、けっこう悩む。
ウナギの味をすっぴんで楽しむのがいちばん美味しいと思うが、薬味や茶漬けも捨てがたい。結局、伝統のまま食べていくのがいちばんいいようだ。よくできた料理だ。

ごちそうさま♪