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[旅行2004年12月18日(土)の京都府にて

インクラインと琵琶湖疏水記念館 / 京都に水を

(map)

[WGS84] 35.011949, 135.788215 - Google Earthで開く(kml)

「あれはなんだろう?」

知恩院の裏手から石の階段を下りて、「南禅寺」に向かう途中、土手の上を歩いている人たちを見かける。土手の上になにがあるのだろうか。登ってみると、廃線跡があった。ずーっと先までつづいているが、線路の幅がやたら広いぞ。
線路を歩いているときはなんだかわからなかったが、のちに訪れた琵琶湖疏水記念館や、帰宅後に調べたことで、だいぶわかってきた。興味があって訪れたわけではないが、見ることができてよかったと思う。
ここは、琵琶湖疏水の蹴上インクラインだった。

インクライン(incline、傾斜鉄道)

インクラインとは、急斜面にレールを敷いて、車両をケーブルによって上下させる鉄道のこと。原理的にはケーブルカー(鋼索鉄道)と同じ。人(客)を乗せるものはケーブルカー、産業用の資材などを運搬するものはインクラインと呼ばれる。

インクライン
※インクライン

船を運ぶ台車の残骸
※船を運ぶ台車(船受枠)

琵琶湖疏水は水力発電のため、落差の大きい箇所があった。ここは船が通れないため、インクラインによって船を昇降させるわけだ。九条山から蹴上まで標高差36m、勾配1/15度の急坂に、582mのレールが敷かれていた。当時、日本初、世界最長のインクラインだった。そんなものが京都にあったとは知らなかった。
レールの終点(蹴上)から大通りに出ると、琵琶湖疏水記念館があったので立ち寄る。ここで、琵琶湖疎水について学んだ。

琵琶湖疏水記念館

「琵琶湖疎水」は、京都と琵琶湖を結ぶ水路のこと。疏水百選の一つに選ばれている。
琵琶湖の湖水を京都に引くことは長年の夢であり、明治になって着手された。琵琶湖疎水は、日本人のみで完成され、日本で初めての技術も数多く採用された。近代化遺産としての価値も非常に高い。

インクラインの模型
※インクラインの模型

中庭からの眺め
※中庭からの眺め

琵琶湖疎水は水道の確保だけでなく、日本初となる水力発電(その電力を使った電車の操業、工場の運転)、潅漑、工業用水などに用いられ、京都の近代化に貢献した。京都を水上輸送都市にするという巨大プロジェクトだったが、電車や自動車の普及によって夢のままに終わる。しかし京都に豊かな水を運んだ功績は大きく、今も多くの人に愛されている。
琵琶湖疏水記念館には、そうした技術者たちの夢が記録されていた。

琵琶湖疏水記念館

[住所] 京都府京都市左京区南禅寺草川町17番
[電話] 075-752-2530
[料金] 無料
[URL] http://www.city.kyoto.lg.jp/suido/

私はこういう「先人たちの知恵」が大好きだ。中庭に出て、日本最初の水力発電機や疎水の静かな流れを見ていると、感動に身が震えてしまう。
京都の見どころは、中世の神社・仏閣だけではなかった。

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