すそのフィッシングパーク / 初めての釣り体験
2006年 静岡県 スポーツ・釣り 魚日曜日は釣りに行ってきた。
初めての釣り体験だったけど、とっても楽しかった。また行きたいと思うし、また行くと思う。今回の釣り体験は、じつは半年かけて計画されたものだった。ことの顛末を日記にまとめておこう。
事の起こり
昨年11月、N氏から「釣りに行かないか」と声をかけられた。釣りなんてまったく興味なかったけど、新しいことを試す機会はそうあるもんじゃない。なので行ってみたいと答えた。
釣りを禁じられていたN氏
ところが、N氏の都合がつかなくなり、半年も待たされることになる。どうやら嫁さんが釣りを禁じているらしい。無断で釣り具を買ったことが原因だとか。しかしN氏はあきらめず、説得をつづけた。そしてついに、5歳になる娘さんの情操教育には釣りも悪くないという判断を引き出すことに成功した。
現地集合&現地解散
N氏は嫁さんと娘さんを連れて、私は妻と黒侠を連れて行った。私たちは完全に別行動だった。別々に出発して、現地で合流、現地で解散。現地でも、道具の使い方を5分ほど教わっただけで、あとはほとんど会話もせず、それぞれの釣りを楽しんだ。
「いっしょに行った」というにはあまりに素っ気ないが、このくらいの距離感の方が互いに気を使わずにのんびりできるのかもね。
※天気がよくて、気持ちよかった
※N氏一家
すそのフィッシングパーク
静岡県にある管理釣り場で、けっこう広かった。自然の渓流に見えるが、湧水を利用した巨大ないけすであるようだ。こういう施設があるとは知らなかった。
※大きな魚がいっぱい泳いでいる
娘さんの教育のため
N氏が「すそのフィッシングパーク」を選んだのは、娘さんに「つかみ取り」を体験させるためだった。90分1,200円、10匹まで持ち帰れるそうな。しかし娘さんはあっという間に13匹をつかまえてしまい追加料金を払うはめに。そこで嫁さんからストップがかかり、結局N氏は2匹しか釣らせてもらえなかった。
※すっかり満足したN氏の娘さん
N氏はあわれだが、確かにこれは素晴らしい体験だ。自分でつかまえた生き物を食べる。いのちをいただく。スーパーの切り身からじゃ学べないことだと思うよ。
※しかしN氏一家は、持ち帰った15匹中8匹しか食べられず、残りは捨ててしまったとか。食べ物(生き物)を粗末してはいけないよね~。
ずっと寝ていた黒侠
夜勤明けだった黒侠は、釣り場に着くなり爆睡した。貴重な体験をするチャンスだったのに、なんともモッタイナイ。
※振り回される黒侠
※寝てしまった
ルアーフィッシングに挑戦
私はルアーフィッシングをやってみることにした。料金は1時間1,800円。1時間延長するごとに+500円。釣り具のレンタルセットは500円。ルアーや針をなくすと100円で交換してくれる。
※さぁ、釣るぞ
釣り竿の使い方をN氏に教わり、ルアーを投げてみる。するすると引き寄せ、また投げる。
2回目……糸が張った!
魚の引きがこれほど強いとは。それを力でねじ伏せて、釣り上げる。魚のノドに針が刺さって痛々しい。申し訳ない気持ちでいっぱいになるけど、不思議な興奮を覚える。なんだろう。こんなに感動するとは思わなかった。
※釣れた!
釣れなくても楽しい
そのあと、ぱたりと釣れなくなる。ぜんぜんアタリがない。1分で飽きて、3分でイライラしたが、10分後には落ち着いていた。
ルアーを投げる。引き寄せる。また投げる。その単調な繰り返しがちっともイヤじゃない。これまた不思議な感覚だった。水の流れ、魚の影をぼんやり眺めながら、私は釣りをつづけた。
1時間幸せになりたいなら、酒を飲みなさい。
3日間幸せになりたいなら、結婚しなさい。
1週間幸せになりたいなら、牛を飼いなさい。
一生幸せになりたいなら、釣りをしなさい。
──中国のことわざ
※この方法じゃ駄目だった
釣果は3匹
2時間で4匹釣って、1匹をリリースした。うまくやればもっと釣れると思う。というのもルアーを対岸の木に引っかけたり、リールに糸が絡まったりして、ロスタイムが大きかった。実際、釣り針が水に触れていない時間が1時間近くあったと思うよ。結局、2時間でルアーを2つなくしてしまった。やれやれ。
※ぐぎゃー!
鳥の血に悲しめど魚の血に悲しまず。
声あるものは幸福也。 ──齋藤緑雨(批評家)
実際には、魚の血も痛々しかった。のどの奥に引っかかった釣り針をペンチで抜き出すときは、私も眉をひそめた。食べれば許されるとかそういう世界じゃない。生き物を殺したのだ。そのショックは小さくない。
魚を「釣る」とは、魚を「殺す」と同義だった。せめて、魚を「食べる」までつなげよう。
※針が痛そう……
※塩漬けにした
嫁も、釣った魚を持ち帰ることには抵抗を示していた。だけど死んでしまえば食べ物になる。流し場に持っていって、いつものように身を切り裂き、内臓を取り出し、塩を詰める。"生き物"が"食べ物"に変われば平気だなんて、不思議なもんだ。
※自分が釣った魚
持ち帰った魚は、1尾は香草焼きに、2尾はそのまま塩焼きにした。これが、本当にうまかった もっと味気ないだろうと思っていたけど、そうじゃない。ちょっと塩が強かったけど、その分、ごはんが進んだ。いやほんと、ちゃんと美味しかったよ。
※見た目は悪いが、ちゃんと美味しかった
さて次は
食べても美味しいとなると、俄然やる気が湧いてくる。次はもっとうまく釣りたいし、もっと上手にさばきたい。薫製やバーベキューにも挑戦したい。ちなみに、次の目的地はここ。
▼FISH-ON! 鹿留
https://www.sisidome.jp/
釣りは楽しかった。また少し、世界が広くなったよ。