上野精養軒 / 正統派の洋食

上野動物園に入るまえに、上野精養軒で飯を食うことにした。

私は知らなかったが、妻はその名を聞き及んでいた。明治創業の老舗の味はいかなるものだろうか。

※明治創業の老舗

洋食屋カフェ・ランドーレ

上野精養軒には２つの店が入っていて、私たちは洋食を出す「カフェ・ランドーレ」に立ち寄った。フレンチの老舗「グリルフクシマ」は本当に純フランス料理なので、私たちには敷居が高すぎた。

上野精養軒は不忍池を見下ろす高台にある。
正直なところ、窓際の席に座るまで展望がよいレストランだとは知らなかった。上野の社に住む人が少ないためか、対岸には広告らしい広告も見えず、眺めはとてもよかった。

ハヤシライス（1,365円）

ハヤシライスはカフェ・ランドーレの看板メニューである。
で、その味だが、じつに正統派の味わいだった。
フルーティなドミグラスソースで、しっかりした味がある。濃いけど、濃すぎない。たいめいけんのようなクセもなく、安心した食べられる。うちの連れは、どちらかといえばハヤシライスは苦手らしいのだが、ここのハヤシライスは美味しいと言っていた。

※正統派の味わいだ

チキンマカロニグラタン（1,260円）

カレーライスを注文するか迷ったんだけど、グラタンを注文してみた。
こちらもまた、じつに正統派の味わいだった。
ホワイトクリームもマカロニも、奇をてらったところがなく、素直に美味しかった。この味は家でも再現したいけど、特徴らしい特徴がないので難しいかもしれない。

※ちゃんと美味しいグラタンだった

どちらもふつうに美味しかった。めっちゃウマイ！　とは言えないけれど、それ以上に貴重な経験をしたように思う。

惜しむらくは高いこと。
この値段になると、やっぱり個性や特徴を求めてしまう。でも、こういう料理を日常的に食べられる人が、本当のセレブなのかもしれない。

◎

それから食事には関係ないけど、上野精養軒の爪楊枝はものすごく立派だった。小さな杭のように頑丈で、使いやすく、見た目も美しかった。ここまで立派な爪楊枝も見たことがない。
立ち寄ったなら、ぜひ確かめてみてほしい。