伊勢門 / 初めての伊勢うどん
2006年 東京都:新宿副都心 うどん 郷土料理 郷土料理百選伊勢うどんを食べてきた。
『クッキングパパ』に伊勢うどんを食べるレポートがあって、興味をそそられたのだ。イメージ検索すると、極太麺に、真っ黒なタレ(つゆ)がかかったうどんがヒットする。
むぅ、どんな味なんじゃろ。
新宿・伊勢門
嫁に調べてもらった店なんだけど、かなりの高級料理屋だった。
「松阪牛・あわび・伊勢海老」だってさ。あはは。
もっと気軽な店がよかったが、腹も減っているので入ってみることにした。
※高級料理屋だった
巨大な水槽、木目を活かした内装、照明を落としたアダルトな空間だ。
明らかに私たち(スニーカーを履いて、シャツの袖をまくり、一眼レフを首に下げ、リュックを背負った30代)には場違いなところだった。その証拠に店員も怪訝な顔をしている。(あら、間違えて入ってきたのかしら?)という目だ。
このとき私は、むしろ居直ることを決めた。
客だと手を挙げて、席に案内させる。嫁はすっかり萎縮していた。
伊勢志摩から直送された海鮮で
メニューを開く。はははは。
こうなりゃ意地だ。食べたいものを食べてやる。
......いま思うと、節操のない注文だった。
※殻付き生うに
※てこね寿司
※伊勢海老のクリームコロッケ
ほかにも寿司やお造りなどを食べた。
どれもうまかったけど、量が少なくて満足感がない。ちょびっとずつ味見する感じだ。
初めて食べる伊勢うどん
そして真打ち登場。
む、麺がぶよぶよして、タレには甘みがあるぞ!。
私は戸惑った。イメージとぜんぜんちがうぞ。
※これが伊勢うどんか
しかし、これこそ伊勢うどんだった。
調べてみると、伊勢うどんはいつでも手軽に食べられる料理として考案されたものだった。
- 極太麺:伸ばす手間がかからない
- 徹底的にコシがない:茹で時間を気にせず煮込める
- 具はなく、薬味も最小限:すぐ食べられる
- 真っ黒なタレ:家庭の味噌からできる たまり醤油 をベースにしている
コシの強い麺+さっぱりしたつゆで食べる讃岐うどんの対極にあるうどんだった。
むぅ、なるほどぉ。
◎
知識をふまえて反省する。
手間をかけない料理(伊勢うどん)を、手間をかける高級店で食べたのは浅はかだった。店が悪いのではなく、私たちがまちがっていた。
まぁ、いつか三重県を訪れることもあるだろう。
そのときにまた、伊勢うどんを食べてみたい。
今度は気軽にね。