国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館 / 光と水に包まれた名簿
2009年 長崎県 博物館 戦跡・軍事施設原爆資料館を歩いていると、平和祈念館に抜けた。
原爆資料館の一部ではなく、「国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館」という別の施設だった。
つまり国の追悼施設である。ニュースなどで議論される「靖国神社に変わる国の追悼施設」も、このような建物になるんだろうか。
※原爆資料館とは別の施設
コース選択?
まっさきに短時間コース(約10分)、追悼コース(約30分)という案内が出てくるので、あっけにとられる。なんかチガウよね。急ぐ理由もないので、ゆっくり見てまわった。
※静かな通路
とはいえ追悼施設なので「見る」ものはあまりない。水と光を取り入れた、美しく、荘厳な場所だった。このほか証言ビデオの視聴、手記や遺影を閲覧できるコーナーもある。
死者の名簿
死没者名簿には現在、14万144名が記載されている。ふと、この名簿に名前が載ることの意味がわかった(ような気がする)。名簿に名前が載らないと、原爆に殺されたことにならないのだ。しかし死者は、あの名簿に自分の名前が載ることを喜ぶだろうか? 追悼施設は死者と生者、どちらのためにあるのか?
死者の名簿が意味するところは深く、私には底が見えない。
※光の柱
※原爆死没者名簿の安置
※地上部分は水が満たされている
地上に出て、深呼吸する。
被爆して、死ぬまでの出来事は原爆資料館で学べる。ここは、「その先」の世界だった。