旧香港上海銀行長崎支店記念館 / 銀行そっちのけ

2009年 長崎県 博物館
[WGS84] 32.736374, 129.86917 - Google Earthで開く(kml)

大浦天主堂から帰る途中、旧香港上海銀行長崎支店記念館に立ち寄った。

ここは有料(100円)なのでパスするつもりだったが、日本銀行を見学したこともあり、また建物の威容に感じ入り、興味がわいた次第。しかし銀行の様子を伝える資料は少なく、興味は建物に向いてしまった。

香港上海銀行の長崎支店だった

1904年(明治37)に建てられたレンガと石造りの洋館。設計したのは下田菊太郎。これが現存する唯一の作品となる。
この建物、旧香港上海銀行長崎支店としての役割を終えると、大浦警察庁舎、長崎市立歴史民俗資料館として活用されてきた。解体計画が持ち上がるものの、市民運動によって回避された。4年の保存修復工事ののち、1996年(平成8)より記念館として公開されている。

旧香港上海銀行長崎支店記念館
※2/3階部分にコリント式の円柱を通した大オーダー、その上に三角破風の屋根を乗せている。

旧香港上海銀行長崎支店記念館
※連続アーチのアーケード、海側の正面性を重視したデザイン

1階は現行の様子を伝えるホールに

1階は銀行時代の様子を再現しているが、机や棚などはない。隅の方に金庫やグランドピアノ、模型などの資料があったが、ちょっと物足りない。2階、3階には銀行の資料はなかった。当時、香港銀行がどのように機能していたか、どんな人たちが利用していたかなど、もうちょっと掘り下げてほしい。

旧香港上海銀行長崎支店記念館
※広いけど、温かい

旧香港上海銀行長崎支店記念館
※多目的ホールとしても使われているそうだ

2階は人形展、3階は長崎の歴史展示

2階の部屋には故久保田馨の頓珍漢人形が展示されていた。人形そのものは芸術性が高いのだが、この場所でなくてもいいような気がする。3階の資料も同じで、資料そのものに不満はないが、この銀行との関連性が薄いのが残念。銀行の様子を本気で再現すると、工事費も維持費も高くなっちゃうんだろうな。
このへんの不満は、ツアー中盤で訪れる山口銀行旧本店で満たされた。

旧香港上海銀行長崎支店記念館
※階段を登っていく

旧香港上海銀行長崎支店記念館
※キリシタン資料室と同じような螺旋階段

旧香港上海銀行長崎支店記念館
※故久保田馨の頓珍漢人形

旧香港上海銀行長崎支店記念館
※テラスに出られた

旧香港上海銀行長崎支店記念館
※凝ってるね

屋内に窓?

館内の床は赤いじゅうたんが敷き詰められ、壁や縁取りの色が美しかった。しかし3階で、ふと気になった。天井にふたがあるのも気になるが、両サイドに廊下側を向いた窓がある。採光のためだろうか?

旧香港上海銀行長崎支店記念館
※天井が高い?

旧香港上海銀行長崎支店記念館
※見上げると、ふたがされている よく見ると周囲に窓が?


旧香港上海銀行長崎支店記念館
※窓がある

■旧香港上海銀行長崎支店記念館
[所在地] 長崎県長崎市松が枝町4-27
[連絡先] 095-827-8746
[竣工] 1904(明治37)年
[料金] 100円

長崎港→奈良尾港
※7日、長崎港を去るフェリーから撮影

このあと私たちは出島資料館を訪れた。

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