柏崎と淵ノ元カトリック墓碑群 / 遣唐使とキリシタンの夕暮れ
2009年 長崎県 景勝地 灯台三井楽半島の最北端の、柏崎公園にやってきた。
観光ガイドによると、このあたりは草原の緑があざやかなところらしい。しかし今は2月で草木は枯れ、夕陽に照らし出されている。風が強い。なんだか、とても寂しい感じがする。端っこに来たって感じがする。
※ここが緑の草原だと想像してみよう
遣唐使船旅立の路
三井楽は、遣唐使が最後に立ち寄ったところ。こ振り返ったとき、遣唐使が最後に見えた日本がここなのだ。丘の上に空海の像と「辞本涯」と記された石碑が建っている。「辞本涯(じほんがい)」とは「日本の最果ての地を去る」という意味だ。空海の書から引用したそうだ。
このあたりの溶岩は強固なので、遣唐使の時代とあまり風景は変わってないかもしれない。
※「辞本涯」の碑、空海の像
※日が暮れていく
※五島柏埼灯台:向こうに見える島は姫島
オレンジロード(遣唐使旅立ちの道/夕映の道)
日が暮れてきたので、車を出発させる。長崎鼻まではオレンジロードと呼ばれる遊歩道が整備されている……のだが、今は修繕工事中だった。「夕映の道」と呼ばれるだけあって、寂寞とした雰囲気を盛り上げる。
ずっとここで日が沈むところを見ていたい気もするが、日が沈んでしまうと、ものすごーく怖そうなので、先を急いだ。
※オレンジロードで日が暮れる
淵ノ元カトリック墓碑群
さらに進むと、十字の墓標やマリア像が見えてきた。地元のカトリック信者の墓地だ。夕陽を背にした墓碑群は、息をのむほど神秘的だった。興奮しすぎて、同じような写真ばかり撮ってしまった。視線を外せば、ふつうの墓地だ。自分の手足を見て気を落ち着かせるが、落日に目を戻すとふたたび気が昂ぶってしまう。そんな場所だった。
※地元のカトリック信者の墓地
※マリア像もある
※影絵のようだ
※このあたりの石はいかつい
※遣唐使は、あの沈む太陽に向かって船を進めたのだろうか
※2009年2月8日の太陽が沈む
福江島に来てよかった。2泊3日はぜんぜん足りなかった。