ホビーショップ タムタム / 我々の財布は狙われている
2009年 千葉県 建物:ショッピングセンター 日常「なんの用事もないけど、まぁ、飯でも食おうよ」
千葉の実家に帰ったついでに、友人Eを呼び出した。19時半に合流して、Eの車で千葉みなとへ。到着したのは千葉ポートスクエア3Fにある「ホビーショップ タムタム」だった。あれれ? レストランじゃないの? どうやらEの買い物に付き合わされたらしい。よくあることだ。
千葉ポートスクエアは閑散としていた
十年ぶりに訪れた千葉ポートスクエアは、ゴーストタウンと化していた。テナントがぜんぜん入ってないし、トイザらスも撤退したようだ。オープン当初の賑わいを知っているので、この荒廃ぶりには驚かされる。
千葉ポートスクエアは企業ではなく、千葉市の持ち物。不景気うんぬんではなく、根本の都市開発に誤りがあったみたいだな。
そんな中、「ホビーショップ タムタム」は広いスペースで営業を続けていた。
※ホビーショップ タムタム
※ショップ内の鉄道模型コーナー
対象年齢は35歳以上
ホビーショップを訪れるのも久しぶりだ。ぶらぶら店内を歩くと、魅力的な商品がひしめき合っていた。細かく動くし、きれいに彩色されている。最近の子どもたちは、こんな玩具で遊ぶのか。
しかし「超合金魂」や「ROBOT魂」のラインナップを見ると、あまり子ども向けじゃない気がする。たとえば「超合金魂 GX-40 六神合体ゴッドマーズ」は、六神ロボが変形・合体するだけでなく、魔神岩やコスモクラッシャーまで付属する。ガイアーのがに股ポーズも再現できる。
物欲のとぼしい私でさえ、欲しくなる出来映えだ。この商品を魅力を、子どもにわかるはずがない。対象年齢は15歳以上とあるが、本当は対象年齢35歳以上なんだろうな。
※うおお! 魂をくすぐるクオリティだ
未来のカネ、今のヨロコビ
友人E、曰く。
「我々の財布は狙われている。結婚してなかったり、子どもがいない男はカネが余ってる。親から遺産を受け継いだやつもいる。本来は未来を創るためのカネだが、使い道がない。それを企業が狙っている。子どもの頃の思い出をちらつかせ、がんばれば手が届く値札をつけ、おれたちを逆さにふってカネを回収するつもりなんだ」
「お、おまえはどうなんだよ?」
「出たものは残さず、買う。
そのために働き、そのために生きている」
未来はいらないから、今のヨロコビに殉じようというのか。見上げたもんだ。
※サイゼリアで飯を食った
※昔は大好きだったティラミスはアイスになっていた
結局、私はなにも買わなかった。Eはフィギュアの加工用具や部品を買っていた。おれたち、17歳ごろからの知り合いだけど、中身はぜんぜん変わらないね。確実に歳をとって、社会で果たすべき役割も変わったのに。
自分たちが決して少数派でないところが、そら恐ろしい。