旧登米高等尋常小学校(教育資料館) / 真夏の木造校舎

2010年 宮城県 #東北夏祭りドライブ 博物館 建物:近代遺産
[WGS84] 38.655416, 141.279726 - Google Earthで開く(kml)

旧登米高等尋常小学校はいつか見てみたいと思っていたところ。

テレビで紹介されているのを見て、興味をもったのは何年前だろう? 「いつか」と思っていたけど、本当に訪れることができようとは思わなかった。
昨年は西予市で開明学校も見てるから、ちがいを比較できる。

旧登米高等尋常小学校
※入学するときは、子どもたちは興奮しただろう

旧登米高等尋常小学校校舎

1888年(明治21年)に建てられた尋常小学校。2階建ての木造建築で、「コ」の字型をしている。和洋折衷で、開明学校や旧田中銀行の擬洋風建築とは異なるようだ。ヘリテージング100選の1つに選ばれている。
現在は教育資料館として、当時の教室を再現したり、戦前の教育に関する資料が展示されている。入場料は、教育資料館・水沢県庁記念館・登米懐古館・伝統芸能伝承館・警察資料館の5施設共通券で800円。教育資料館に車を止めれば、水沢県庁記念館と登米懐古館は歩いていける。

旧登米高等尋常小学校
※手すりの木目

旧登米高等尋常小学校
※吹き抜け片廊下

旧登米高等尋常小学校
※廊下に傘立てがある

100年前の夏は暑かったか?

階段も廊下も、壁も、手すりも、柱も、みんな木造。ギッギッと音が鳴るし、手を触れると独特の柔らかさがある。
しかし暑い。冷房なしの近代建築より涼しいかもしれないが、暑いものは暑い。こんな暑さじゃ勉強に身が入らない。100年前の夏は、こんなに暑かっただろうか? まぁ、「冷房や扇風機がない」と騒ぐ子どもはいなかっただろう。夏が暑いのは当たり前だから。

旧登米高等尋常小学校
※木造の校舎、木造の教室(HDR撮影)

旧登米高等尋常小学校
※椅子が小さい!

旧登米高等尋常小学校
※机は上に開く仕組みだった

旧登米高等尋常小学校
※当時のものではないだろうが、黒板とチョークが置いてあった

当時の子どもたちはノートを使っていただろうか? 工業が発達して、ノートは安価になった。そして今はノートからデジタルに移行しようとしている。世の変化は早いね。

旧登米高等尋常小学校
※窓枠の敷居水抜き穴

登米市立登米小学校
※裏手に見えるのは後進の登米市立登米小学校だろう

旧登米高等尋常小学校
※2階の吹き抜け片廊下より

旧登米高等尋常小学校
※立派な建物だ

半鐘のこと

この半鐘は1939年(昭和14年)まで授業の始・終業の合図として使われていたもの。いつ、どこの、だれが鋳造したかが明記されていた。

鋳物師:登米伊達藩鋳物師江田家
第19代江田嘉茂左衛門
登米町寺池金谷在住
鋳工:大正5年11月23日

この学校のために作られた半鐘。当時の鋳物はすごい価値があったんだね。

旧登米高等尋常小学校
※半鐘を鳴らしてみる

旧登米高等尋常小学校
※シルエットだけ見ると、今日も授業をしていそう

明治政府は国民の知識水準を高めるため、全国に尋常小学校が作らせた。このころ政府はカネがなかったから、多くの学校は地元住民の寄付によって建てられたらしい。現存する尋常小学校を訪れると、当時の人たちがいかに教育に期待していたかが忍ばれる。
登米高等尋常小学校を建てた人々に敬意を表したい。

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