横浜・珍獣屋 / 珍獣たちの新年会
2011年 神奈川県 世界の味 酒 食:その他新年会で、珍獣を食べてきた。
昨年のちゃんこワイン忘年会で、「年が明けたら珍獣を食べよう」と話していたのだ。集まったのはboulifaさん、なべぇるさん、よねこさん、コトブキさん、私の5名だった。
その名もズバリ、珍獣屋
boulifaさんが見つけたその店は、珍獣屋。横浜・野毛柳通りにある。ジャンルとしては猟師料理になる。この店の主人が鉄砲で仕留めてきたわけじゃないし、供される動物が野生とかぎらないが、そうした料理文化があるそうだ。
※野毛の柳通り
(土地勘のある場所じゃないが、GPSがあるからすぐ見つかるだろう)
と思っていたが、大間違い。あっちこっちの路地をさまよって、ようやっと入り口を発見した。珍獣屋はビルの2階に入っていて、通りからは見えなかったのだ。横浜を甘く見てた。
※珍獣屋の入り口を発見!
珍獣屋は、その名の響きとは裏腹に、シックなダイニングバーだった。
常連客がカウンターで静かに酒を飲んでいる。その酒肴は珍獣だが、奇をてらった皿はない。変わった店だった。ダイニングバーだが日本酒、焼酎がメインらしく、ビールはあまり置いてない。私たちはビール飲みが多いので、特別にビールを用意してもらった。
※やる気満々の男が1名
トド
食べたものを1つずつ書き起こしておく。
最初に食べたのはトド。アシカ科で最大の種だ。トドは魚を食い荒らすため、「海のギャング」と呼ばれ駆除されてきたが、現在は個体数が減少し、レッドリストに入っている。食用としては、北海道の「トドカレー」が有名。
食べてみると、柔らかい。淡泊で、臭みも脂っこさもない。鯨肉に似ている。もっと噛んでいたいのに、するっと飲み込んでしまう。ほほぅ。
※トド肉:淡泊で、鯨肉に似ている
ワニ唐
お次はワニの唐揚げ。
は虫類って、食べないよな。ザクッと囓ると、肉ではなく脂のカタマリだとわかる。しかし脂っぽさ、臭みはない。いや、身が締まった脂なのか、脂によく似た肉なのか、区別できない。肉質をみるに、唐揚げにしたのは正解だね。
「ワニは水辺に済むから、鶏肉と魚肉の中間みたいな味がするよ」
なんて話を聞いたことがあるけど、今回食べた部位はそうでもなかった。部位によってちがうのかな? 考えてみれば、1つの動物がどこを食べても同じ味になるわけがないか。
※ワニ肉:脂身のようだが、ちがうかも?
ラクダ肉特上ロースのたたき
3品目はラクダ。漢字で書くと駱駝。見たことはあるが、乗ったことはない。ラクダは歩行するとき左右に大きく揺れるし、よだれをまき散らすため、あまり快適な移動手段ではないらしい。私の人生で、ラクダに乗って砂漠を移動することがあるかどうか。
中華料理ではラクダのこぶが珍重されているが、今回食べたのは肉。くみくみ、柔らかい。塩胡椒が効いてて、温かい。ふつうに食べられる。
※ラクダ肉:臭みをうまく打ち消している
ウサギ
ウサギを食べるのも初めて。ウサギは繁殖力が高いから食用に適していると思っていたが、ふつうのウサギは身体が小さいので、あまり肉はとれないらしい。また、ウサギは寂しいと死ぬと言うのも誤解なんだって。
食べてみると、鶏肉そのもの。1羽、2羽と数えるのも納得。ぷりっとした肉質に、塩と脂がよくあう。うまい。珍獣シリーズの中で、もっともうまいかも。
※ウサギ肉:まるっきり鶏肉
カンガルー
遅れて登場したのはカンガルー。カンガルーは食用として飼われておらず、野生のカンガルーを捕獲しているそうだ。こうした狩猟は、オーストラリアの自然保護団体と軋轢を生んでいる。
ジンギスカン風に調理されており、味もジンギスカンそのもの。肉に臭みがあるようだが、この味付けなら文句なく食べられる。ただ、羊肉とどうちがうか説明するのは難しい。
※カンガルー肉:マトンそっくり
ダチョウ刺し
珍獣シリーズ最後の皿は、ダチョウ肉。ダチョウ肉は、ダチョウ王国で食べたことがある。あのときの記憶と同じで、あっさり淡泊な味わい。くみくみ噛んで、つるりと飲み込む。ワサビがよく合う。
※ダチョウ肉:淡泊な味わい
珍獣のほか、下記のようなものも食べた。写真が多くなったので、リストで解説する。
- ・白レバ ... つるりとうまい。
- タン刺し ... おおぅ、タンをこのように食べるのもいいね。
- レバ刺し ... レバレバ。
- ハツ刺し ... 心臓をいただきます。モツ串神経衰弱を思い出す。
- マグロとアボガドのディップ ... ふつうの料理もいいじゃん。
- ハブ酒 ... ちょびっとだけ飲んだけど、えぐい感じがする。
話のネタにいいね
新しい肉が運ばれてくるたび、その動物の話題で盛り上がる。知識や誤解が開陳され、意外に楽しい。珍獣はどれも肉質に合わせた調理がされており、「えぐー」とか「食えねぇー」と騒ぐことはない。比較すれば、家畜肉の方がうまいだろう。しかし「食」について話したり、考えるには、いいキッカケになる。
特殊な肉をこれだけ処理できるのだから、この店はあんがい、ふつうの料理の方がうまいかもしれない。
※この葉っぱはなんだ?
話題にしたソースを挙げておく。その場にいた人は、「あぁ、あの話か」とわかってくれるだろう。
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※いえ~い♪
二次会は男だけで
よねこさん、コトブキさんが離脱し、二次会は男だけになった。
「馬車道タップルーム」まで歩くつもりだったが、寒かったので「横浜ビール驛の食卓」にしけこむ。がっぽがっぽビールを飲んで、さらにディープな話題にふける。mixiでは突っ込めなかったネタのつづきとかね。
※横浜ビール 驛の食卓
※トマトの揚げだし横浜醤油風味:意外な組み合わせがよかった
ぷふ~、けっこう酔った。帰り道は電車を乗り過ごして、大変だった。いやはや。
あ、そういえば、新年会でした。参加した皆さんも、参加できなかった皆さんも、今年もよろしくお願いします。