旧開智学校 / 充実の教育資料
2011年 長野県 #信州ドライブ 博物館 建物:近代遺産全国の旧制学校めぐりも、ついに旧開智学校に達した。
近代遺産をいろいろ見てきた中で、いつしか古い学校をおもしろく感じるようになった。古い学校と言えば、松本市の旧開智学校は外せない。実際、私は松本城より旧開智学校を楽しみにしていた。
あいにくの天気だったが、保存状態のよい建物を楽しく見学できた。入場料は300円。
※手前が現在の、市立開智学校
旧開智学校
1873年(明治6年)に、「第二大学区筑摩県管下 第一中学区 第一番小学 開智学校」として開校。和風と洋風の入り混じった擬洋風建築の校舎は、明治の文明開化を象徴する建物の1つ。工事費の7割を、松本町の寄付によってまかなっている。
※開智学校の正面:じつは左右対称じゃない
※唐破風の下にエンゼルはちょっと小太り
※瑞雲の彫刻を施したバルコニーは人が建てる造りになってないそうだ
※モダンな窓
※いよいよ校内へ
保存状態のよい校内
校舎の窓はほとんど閉め切られており、教室はいささか暑い。しかし廊下は風通しがよく、蒸し蒸しすることはなかった。今日が雨だからかもしれない。
外観を見たときは気づかなかったが、窓が小さい。これじゃ全開しても大して涼しくならないだろう。松本の夏はそんなに暑くないのかな?
※床がギシギシ鳴らない
※筆記用具(チョークと黒板消し)
※教室:窓が小さく、閉塞感がある
見どころは多い
のっぺりした天井は、じつは和紙を貼り重ねている。表面1枚分しか見えないが、質や厚さの異なる和紙が五層に貼られている。138年も経っても劣化しないのだろうか。説明を読んで、実物を見て、理解を深めていく。おもしろい。
建設当初はうしろに教育棟があったが、移築の際に取り壊された。接合部分がきれいに修復されちゃって、少し寂しい感じ。
※学校の必需品・オルガン:その価値は現在と大きく異なる
※天井の照明
※急すぎる階段
※138年前のガラス:気泡の入ったガラスもあるそうだが、見つけられなかった
※2階の様子:なにやら雰囲気が違う
※ふしぎなドア:開けても「向こう」がない
戦前の教科書
教育資料はとても充実していた。とりわけ戦前の教科書は興味深い。教え方が今と異なる点も注目だが、皇国史観の教科書がおもしろい。戦後は皇国史観を隠してしまったが、なにが正しく、なにがまちがっていたかを教える度量がほしい。
※イエスシ読本 イス、スズメ、エダはわかるが、イシは難解だ
※イヌはワロキ!
※受付&売店
1時間ほど見学して、満足する。外を見たら、まだ雨が降っていた。やむなし。合羽を着て、松本城まで歩いた。
※マンホール:カラーパターンがあった
※マンホール:色なし
- 旧宇和町小学校 (宇和米博物館)
- 旧山形師範学校(山形県立博物館分館 教育資料館)
- 開明学校
- 旧登米高等尋常小学校(教育資料館)
- 藩校明倫館跡 (明倫小学校)