写真を撮ってどうするか / CP+ 2013

2013年 神奈川県 カメラ 社会見学
[WGS84] 35.459277, 139.635792 - Google Earthで開く(kml)

 黒侠に誘われ、CP+を見てきた。

 初めて参加したけど、まぁ、おもしろかった。新しいカメラや関連機材より、そこに吸い寄せられる人々が興味深い。カメラってのは魔性の道具だよな。私も一眼レフをはじめて9年か。いろいろ刺激を受けた一日だった。

CP+ 2013
※パシフィコ横浜に入るのは初めて

CP+(シーピープラス、Camera & Photo Imaging Show)

 CP+は、カメラおよび関連器機のコンシューマー向け展示会。年1回のペースで開催されているそうだ。入場料は1,000円だが、CEATECと同じで事前登録すれば無料になる。
 会場は横浜パシフィコ。ここも初めて訪れる場所だ。ギガンティック・ダークがイマカラムをやっつけた場所だね。このあたりは風景が未来的だ。幕張メッセより発達している。

CP+(シーピープラス)2013 開催概要

名称:CP+(シーピープラス)2013
[会期] 2013年1月31日(木)~2月3日(日)
[場所] パシフィコ横浜
[主催] 一般社団法人 カメラ映像機器工業会(CIPA)
[協賛] 一般社団法人 日本写真映像用品工業会
[URL] https://www.cpplus.jp/

CP+ 2013

 事前登録した人には「入場引換証」が発行される。これをブラウザから印刷するか、スマートフォンで受付に見せると、QRコードをスキャンされ、入場証がもらえる。事前登録していないとお金がかかるばかりでなく、自分の名前や所属などを記入しなければならない。スムースになったもんだ。
 私が知る類似のイベントは「CEATEC」になる。「CEATEC」に比べると規模は小さいが、雰囲気は同じ。おなじみのメーカーばかり集まっているから、密度は高い。

撮影と言えばポートレイト?

 ブースを見てまわる。そこかしこにコンパニオンがいて、客に写真を撮られていた。ポーズを決めて、にっこり微笑む。こういう雰囲気は東京モーターショーに近いのかな。クルマのショーで女の子を取るより、ストレートと言えるかもしれない。
 実機の展示も多いが、道具は使ってナンボ。もっと撮影体験コーナーを充実させてほしい。たとえばテレスコーピングのコーナーでは、望遠撮影すべき対象がなかった。自分のブースを飛び出しちゃうから設置しにくいだろうけど、工夫できるはず。というか撮影体験は女性のポートレイトばかり。まぁ、それがもっとも効果的な客寄せかもしれないが。
 カメラが好きで、CP+に来るような人の多くは、ポートレイトが好きなんだろうか?

CP+ 2013
※NIKKORレンズがずらり

CP+ 2013
※こんなカメラを構えたら通報されるな

カメラが当たり前の道具になった時代に

 はじめて買ったデジタルカメラは、SONY デジタルマビカ(1997年)。
 はじめて買った一眼レフはNikon D70(2004年)。

 CP+に展示された最新モデルは、比べることができないほど性能があがっている。より小さく、より手軽に、より高精細に。蛍光灯の明かり程度できれいに撮れるのは、もう当たり前だ。すさまじい進歩である。
 奇妙なことだが、進歩しすぎてありがたみがわからなくなってしまった。自分がもっている機種より性能が高いことはわかるが、「欲しい!」と思わない。手に入れたとしても、喜ぶのは最初だけで、すぐ当たり前の、物足りないような、これで十分のような、感動のないグッズになってしまいそう。
 歳をとって感受性がにぶったのか、ただ単にカメラに飽きたのか。素晴らしい新商品に囲まれながら、私の心はいたって平静だった。

CP+ 2013
※見かけないメーカーも多い

CP+ 2013
※こういうのは量販店と変わらない

写真を撮って、どうすんの?

 会場でたくさんの写真を見た。プロの作品もあれば、アマチュアの作品もある。しかし「すごい!」と思うのは印刷や撮影の技術ばかりで、写真そのものに感動していないことに気づく。
 どうやって撮影したか? そのネタがわからないとき立ち止まり、自分の引き出しに加えようと解析する。この反応は、カメラを趣味にする人の宿命かもしれない。

CP+ 2013
※写真展示

CP+ 2013
※お姉ちゃんもたくさん

 その一方で、写真が人を感動させにくくなったのも事実。カメラの進化と普及により、いつでも、どこでも、だれでも、それなりの写真を撮れるようになった。カメラはもう魔法のアイテムじゃない。タネがばれてる手品に感動するのは難しい。

 ゆえにセンスが求められるわけだが、センスなんてそうそう身につくものじゃない。すると人は、被写体や機材に凝ってしまう。より特殊な場所で、より珍しい対象を、より高性能なレンズで撮る。どれもカネで解決できる。カネで解決できる趣味はむなしい。

CP+ 2013
※未来的な眺め

 とまぁ、殺伐とした印象もあったけど、カメラ熱への刺激も受けた。
 いい写真を撮りたいね。撮ってどうするかなんて考えず、撮りたいね。

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