富士登山(御殿場口・下り)

この記事は約2分で読めます。

太陽が中天に近づくころ、私たちは下山を開始した。
同じ道をもどるのはイヤだったので、御殿場口に向かう。まぁ、適当に足を動かしていれば帰れるだろう。登りの苦労を経験したあとでは、下りなんて軽いもんだと思っていた。
しかしそれは、大きな間違いだった。

09:30-九合目(3,576m)

登りとちがって、周辺がよく見える。といっても、見えるのは砂と岩ばかり。どこか遠い惑星のようだ。

11:00-七合目(2,950m)

かなりの距離を降りた…ような気がするが、まだ七合目だった。節目となる山小屋がないので、やたらと長く感じる。
ふいに「急転直下直線道砂走入口」という立て札が出現。しかし実際に砂走りがはじまるのは、まだずぅーっと先だった。
七合目
※七合目

12:00-砂の中

気がつくと、砂礫が黒く、粒子が細かくなっていた。靴がズボーッと砂に埋まりはじめる。
「これが、砂走りか?」
私たちは靴下を引き上げて、一気に駆け下りはじめた。1歩3mと言われていたが、たしかにそのとおりだ。
砂の中
※砂の中
  ズボーッ、ズボーッ!
砂に埋まりながら進んでいく。なかなか気分がいい。このあたりから霧が発生しはじめた。

13:00-霧の中

いったい何時間が経過しただろう?
  ズボーッ、ズボーッ、ズボーッ、ズボーッ。
  ズボーッ、ズボーッ、ズボーッ、ズボーッ。
砂走りは、まだ続いていた。濃い霧のため、前も後ろも見えない。
  ズボーッ、ズボーッ、ズボーッ、ズボーッ。
  ズボーッ、ズボーッ、ズボーッ、ズボーッ。
登りではへこたれなかった私だが、下りは駄目だった。あまりにも長いので、ぶーぶー文句を言い始めた。彼女と友人Aには迷惑をかけたと思う。

15:00-御殿場口(1,440m)

無限につづくかと思えた砂走りも、ついに終点を迎える。
「…長かった…ほんとうに長かった…」
御殿場口の駐車場が見えたときは、涙もにじんだ。
御殿場口
※御殿場口
あとで知ったことだが、御殿場口の新五合目は、富士宮口よりも1,000mも低い。実質的には2合に相当するそうだ。どうりで長かったわけだ。


その後、JR御殿場駅に近い銭湯で、砂と疲れの一部を洗い落とす。お風呂は気持ちよかったが、砂まみれの服をふたたび着るのはつらかった。そのまま御殿場駅まで歩いて、電車に乗り込む。帰り道はほとんど寝ていた。
こうして、私たちの富士登山は終わったのであった。

余録

富士山に登頂できたことはうれしいし、眺めもよかった。
しかしその過程は大変だった。
岩ばかりの山だし、夜だったから、もはや作業にも等しかった。何度もアタックされる方も多いが、私には無理だろう。次はもう少し、緑のある山に登ってみたいね。


138.79438161849976, 35.33573957353705

タイトルとURLをコピーしました