正直いって、異人館を見るかどうかは迷っていた。
こんな観光名所っぽいところを見ても仕方がないのだが、嫁は見たいと言っている。
それじゃ外観を眺めて終わりにしようと思ったが、案内所のおばちゃんの巧みなトークに惑わされて、ラッキークーポン(複数館割引券:2,800円)を買ってしまった。「いまさっき余ったチケットなので、さらに200円割り引きますよ」だってさ。ま、これも一興か。
と言うわけで、異人館をぐるっと見てまわることになった。
異人館とは
幕末から明治にかけて来日した欧米人の住居を、「異人館」と呼ぶ。
そのころ、外国人の住まいは居留地に制限されていたので、多くの異人館が集まるように建てられた。神戸北野町40棟余りが現存しており、観光名所となっている。なお、震災や火災を免れ、現代でも群として異人館が残っているのは、神戸と長崎だけらしい。

※風見鶏の館:串刺しされているみたい
訪れた異人館
北野町の異人館には、市営と民営があるようだ。
私たちが買ったチケットは民営の異人館をめぐるものだった。
- 旧パナマ領事館
- イングランド館(英国館)
- 仏蘭西館(洋館長屋)
- ベンの家
- ラインの館
- 北野外国人倶楽部
- 旧中国領事館
- 山手八番館
- うろこの家
- うろこ美術館

※スタンプも揃えた

※坂道が多かった
旧パナマ領事館:最初に見るにはちょうどいい
最初に訪れたのは、旧パナマ領事館(旧ヒルトン邸)。
チケット売り場の上にあった。どんなところかは、ガイドブックなどを見てほしい。白い外壁に、異国情緒あふれる意匠、美術品。なんとなくパナマの領事が住んでいた感じがする。

※旧パナマ領事館

※かっちょいい書斎:仕事しづらそう

※かっちょいいイス:食事しにくそう

※階段の絨毯は1枚構成

※パナマっぽいと言われれば、そうかも?

※頭がつるつるになったシーホース
いかにも異人館って感じがする。
いま振り返ると、最初にここを見られてよかったと思う。この旧パナマ領事館を起点に、ほかの異人館を見ていくとわかりやすくなると思う。
イングランド館(英国館):甲冑がこわかった
つづいて英国館(旧フデセック邸)に立ち寄った。
こちらも異国情緒たっぷりだが、角張ったラインや色の濃さが、なんとなく英国らしい。コロニアル様式というらしい。

※中庭から見た建物:英国っぽい

※テーブルにあるケーキは有料なので注意!

※でかい鹿の剥製があった

※なんか立ってる

※立派な鎧だなぁ

※着てみた

※庭に立っている鎧
仏蘭西館(洋館長屋):外見と中身がちがいすぎる
仏蘭西館は、フランス風に改造されたアパートだった。
2軒の家が左右対称につながっていることをのぞけば、外から見える部分に装飾は少ない。代わりに内部はゴージャスに飾られていた。ガラス工芸や絵画、工芸品などの美術品がたくさん並んでいる。外見の印象からかけ離れているなと思ったら、アパートを改造したところだった。
そうだよね、こんな美術品を持っている人が長屋(アパート)に住んでいるはずないからな。

※フランスっぽい?

※ちょっとホラーな子ども部屋

※美術品が並んでいる

※時計
ベンの家:こんな家には住みたくない
ベンの家(旧アリソン邸)はちょっと異常だった。
ベン・アリソン氏は英国人狩猟家で、世界中を旅して仕留めてきた獲物の剥製を飾っていた。
その数の多さ、多様さに圧倒される。どっちを向いても剥製(死んだ動物)ばかりなのだ。こんな首の多い家によく住めたなぁと思うよ。

※どの部屋にも剥製が飾られている

※しかし、ここまで首が多い家ってのもなぁ…

※イスも象の脚だ

※この電話が最後に鳴ったのはいつだろう
2階を抜けて下りてくると、お土産ショップに出た。うはー、と気分が萎える。商売ッ気が強すぎますよ。
ラインの館:ちょっと休憩するにはもってこい
坂道を登っている途中に、ラインの館(旧ドレウェル邸)があった。
入場無料なので中をのぞいてみることにした。
2階では、阪神・淡路大震災で受けた被害をどのように補修したかが展示されていて、興味深かった。

※無料の休憩スペース

※窓より

※ひと休み
ほかの異人館に比べると、見るところの少ない建物ではあるが、落ち着いていて気に入ってしまった。
北野外国人倶楽部:社交場の表と裏を
北野外国人倶楽部は、外国人のサロンを再現しているらしい。
「再現」ってことは、実際にはここはサロンじゃなかったのかな?
旧フリューガ邸とあるけど、つまりフリューガさんの家をサロン風に改造したのかな?

※門にあった青銅

※また鎧が

※古いピアノ:鍵盤はもうボロボロだ
表より裏へ
ここが実際のサロンだったかどうかはともかく、厨房やメイド室といった裏手がおもしろかった。写真を撮り損ねたけど、メイド室は狭くて飾り気がなくて、本当に舞台裏って感じだった。

※薄暗いオールド・キッチン

※なぜかメタルフィギュアが

※1890年ごろ、フランスの荘園領主が乗っていた馬車
チャペルで貸衣装サービス
妙なことに、敷地内に小さなチャペル(礼拝堂?)が建っていた。
もともとチャペルがあったのか、チャペルに改造したのか? チャペルでは貸衣装サービスをやっていて、イブニングドレスやウェディングドレスを無料で着ることができる。私は嫁に強制して、派手な紺色のドレスを着させてみた。顔が映っている写真は恥ずかしいそうなので、背面からの1枚を掲載しておく。
こーゆー仕組みになっていたんだね。

※裏を見せます
北野異人館は、よくわからなかった。
もともとは、どういう建物だったんだろう?
旧中国領事館:異色のオリエンタル
中国館ともいうべき、異色の異人館だった。

※入り口にて

※ほかの異人館とはだいぶ雰囲気が異なる

※オリエンタルな寝室

※豪華なバスとトイレ:あのトレイは水洗かな?
山手八番館:世界中の美術品が集まっている
アフリカの美術品はかなり奇怪で、見てると不安な気持ちになった。
アジアやエジプトの美術品もある。当時の富裕層は、こういう美術品を集めるのがステイタスだったのかな?

※ヨーロッパ(ドン・キホーテ)

※アフリカ

※中国

※日本

※エジプト
集め方に節操がない。
ここの主人は、どんな美術センスを持っていたのだろう?
あるいは、いろんな人の収蔵品を集めているのかもしれない。
うろこ美術館&うろこのいえ:中身より外見
最後は異人館のシンボルでもある「うろこ美術館&うろこのいえ」にやってきた。
この2つの建物は内部でくっついており、1つの建物として扱われていた。

※左が「うろこ美術館」、右が「うろこのいえ」

※うろこ状の外壁
最初に公開された異人館で、国指定登録文化財。
外国人向けの高級借家として建てられたそうだが、こんな立派な建物がなぜ借家なのかと思ってしまう。つまり、長居するつもりはないが、金持ちの外国人が入れ替わり住んでいたのだろうか?

※ポルチェリーノ(幸運を呼ぶイノシシの神様)

※館内の様子
うろこの美術館にはたくさんの絵画が飾ってあった。
ヨーロッパとロシアの近・現代絵画らしいけど、私にはよくわからなかった。陶磁器などは見事だった。

※3階の展望室
内覧して楽しかったか?
「ラインの館」を含め10棟の異人館を内覧した。
思っていた以上に楽しめた。しかし内覧せずとも、それなりに楽しめたと思う。なぜなら建物の外観は年月を経ても変わらないが、内部は観光名所となるよう恣意的に装飾されるからだ。建物を借りた資料館みたいなところもあった。まぁ、それが悪いわけじゃないけどね。
神戸の歴史に触れることが目的なら、外観を眺めるだけでもよかったかもしれない。

※展望塔の家:震災以来、休館中

※風見鶏の館:時間的に内覧はできなかった

※萌葱の館:訪問時は改装工事中だった
■北野異人館街
[住所] 兵庫県神戸市中央区
[規模] 面積:40ha
[電話] 078-322-0220
このあと、私たち北野天満神社に足を向けた。
34.700911 135.191064