甥っ子の根性

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 甥っ子が5歳になったので、オセロをやってみた。
 昨年は集中力がなくてゲームにならなかったが、今は大丈夫そうだ。盤上をしっかり見すえ、小さな指がオセロをめくっていく。よくナナメを取り残すけど、そこは愛嬌か。
(ん、どのくらい本気でやるべきだろう?)
 私はオセロが得意というわけじゃないが、定石は知っている。序盤はなるべく自分の色を減らし、角を取ったら巻き返していけばいい。しかし本気で対戦したら、甥っ子はつまらなく感じるかもしれない。ここは手を抜いて、勝利をゆずるべきか……。
(いや、いかん! 悔しさが男を成長させるのだ!)
 頭を振って、甘さを追い払う。そして本気で勝負し、圧勝した。
「……」
 甥っ子は黙ってしまった。私が「もう一度やろう」と言っても、「やらない」と小さくつぶやくだけ。笑顔が消えている。
 む、やりすぎたか……?
 オセロを片付ける甥っ子の小さな背中を見て、彼の将来が不安になった。
 甥っ子は一人っ子だから、大人たちの愛情を一身に受けている。オモチャもたくさん持ってる。望めばなんでも手に入る。だから、思い通りにならないとすねてしまうのだ。このままだと、ヘラヘラした弱い子に育つのではないか?
「これ、やろう」
 しばらくすると、甥っ子はおもちゃ箱からカルタを取ってきた。
 「なぞなぞかるた」という製品で、読み札がなぞなぞになっている。つまり最初の1音に反射するのではなく、なぞなぞを解いてから絵札を取るわけだ。こんな感じ。

すすむと まけて さがると かつ、ろーぷを ひっぱる げーむは なあに?
 →なひき
かいじゅうだって びっくり するよ、おおきな おとの ごろごろ ぴかり??
 →みなり
むしめがねで みても すぐ そばに あるのに みえない ふしぎな もの??
 →うき

 
やってみると、かなり難しい。甥っ子は慣れているのか、てきぱき取っていく。取り札の絵から問題を予測して、数枚は取れたものの、大敗だった。
 にこーっと、甥っ子がほほえんでいる。
 私はもう一度やらなかった。

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