まぼろしのアンサンブル

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 2年前の夏、光が丘公園でフルートを吹くおじいさんを見かけた。
 陸橋の木陰で、ちゃんと譜面台も置いている。台には、『求む、オーボエとヴァイオリン』という貼り紙が掛かっていた。3人集めてアンサンブルにしたいのだろう。公園で演奏する人は多いが、真夏であり、年配者で、仲間募集の貼り紙が印象的だった。
 おじいさんはいつも、同じ場所で演奏していた。
 毎日来ているとは思わないが、私が公園を抜けるたびに見かけるので、すっかり「定番キャラ」になっていた。暑いのにタフだなぁと感心する。あいにく私は楽器を弾けないので、ただ通り過ぎるだけだった。
 秋になると、おじいさんはいなくなった。
 冬になり、春になり、夏になっても姿を見せない。さらに季節はめぐり、今年の夏もフルート演奏を聴くことはなかった。
 猛暑だったから、野外演奏はやめたのだろうか?
 それとも仲間が見つかって、場所を変えたのだろうか?
 今でも公園を通り抜けるときは、おじいさんの立っていた場所を見てしまう。
 どこかでアンサンブルを奏でているのだろうか…。

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