差出人:過去
2004年 哲学 mixi──私は記録好きだ。
なので手もとには、いろいろな思い出の品が残っている。
手書きの日記や文集、写真、寄せ書き、作りかけの○×...など。
それらに触れると、過去の自分が再現される。
いまの私には、過去の自分が、他人のように見える。
過去の自分の目には、いまの私が、他人のように映っている。
「これがぼく? ぼくの成長した姿? これがぼくの未来なの?」
過去の自分が問いかけてくる。落胆しているようだ。
(だがな、過去の私よ。
おまえが想像していたよりも世界は広く、時代の変化は早かった。
当初の予定とちがうが、これでも精一杯やったんだ……)
いまの私が言い聞かせる。
過去の自分はなにも言わず、見ているだけだ。
(あぁ、わかっているさ。まだ、終われないよ……)
そして私はまた歩き出す。あいつらが見ているから。
あいつらに、ウソはつけない。