ベーコン作り(初回)

2004年 食べる 食べる
ベーコン作り(初回)

七輪活用に失敗した私は、次なるテーマとして「ベーコン作り」を選んだ。

なんでもそうだが、大きく買った方が単価は安くなる。
しかし大きな食材は、保存も調理も難しい。安く買っても、腐らせてしまうことも珍しくない。
そこで、ベーコン作りですよ。
この技法を会得すれば、肉を長期にわたって保存できる。冷蔵庫も占有されない。
昔の人が編み出した叡智を、現代の私が継承するのだ!

──10月21日。仕込み。
豚肉ブロックを買ってきた。
初回で自信がなかったので、500g と小さめ。塩と胡椒を擦り込んで、冷蔵庫に入れる。水を抜いて、熟成させるためだ。

──11月04日。熟成。
2週間が過ぎて、肉がだいぶ絞まった。
想像したほど水は出ない。新鮮な肉はあまり水が出ないらしい。なんでやろ? ちょびっと切って味見してみる。生ハムには遠い(美味しくない)。
焼いてみる。歯ごたえが増したが、『熟成された』という感じはしない。

──11月14日。風乾→失敗。
テグスを買ってきて、吊す。が、不安になる。
肉が腐る様子はないが、虫がつきそうな気がする。結局、不安に負けて冷蔵庫に戻してしまう。
ちょびっと喰ってみる。美味しくはない。

──11月20日。ちょびちょび喰う。
薫製に出かける時間がうまくとれない。
ベーコンの予定が干し肉に、そして塩漬け肉になってしまった。
ちょびちょび喰っていく。少しずつ小さくなっていく。

──11月28日。
気がつくと、もう薫製にするサイズじゃなくなっていた。
(あぅぅ~。 ベーコンになるはずだったのにぃ。)
で、この塩漬け肉。味はどうだったのか?
適切に塩抜きしなかったので、塩っぽかった。堅めで、肉の味はするけど、美味しいとは言えない。薫製にしてないから、独特のにおいもある。
(なにをしているんだろう? これが、私の目指したものか?)

──しかしそこで、はたと気がついた。
もう1ヶ月も、この肉を食い続けている。
炒飯や焼そばなどに、ちょびっと切り取って使う。
残ったらしまうを繰り返していた。
考えてみれば、こんな食べ方はできなかった。

味はいまいちだったが、保存食としては成功した。
なるほど。投げ出すのは、まだ早いようだ。

「今度は、美味しいベーコンを作ってみよう!」

──挑戦は続く。