聖夜のチキン

2004年 食べる 食べる
聖夜のチキン

クリスマスなので、ローストチキンを作った。

ちょっと大きめのサイズだったから、友だちも呼んだ。話をして、ゲームをして、デジタル写真などを開陳して......。いよいよ、ローストチキンの登場だ。我が家ではこれで3度目になる。

塩胡椒を擦り込んでオーブンで焼く。途中、溶かしバターを塗る。肉を焼く熱と染み出た脂が、ジャガイモやタマネギなどを美味しくする。セロリが肉の臭みを消してくれる。簡単だが、よくできた料理である。

これに、自家製パンとサラダ、コーラを添える。ふだんは飲まないコーラも、こういう料理のときはいける。焼きたてパンをちぎる。肉を食べる。うまい。簡単だが、よくできた料理である。

まるごとのチキンを食べるのは難しく、また感動的だ。ナイフやフォーク、あるいは手を使って"解体"していく......。私のような素人では、うまく骨から肉をむしれない。切ったり、ねじったり、裂いたり......。細かい部分は、塩をかけて、しゃぶってしまう。

チキンは最初、「生き物」のカタチを留めていた。これを解体して、口に入る「食べ物」にしていく。
──命をもらっている。
それがすごく実感できる。チキンナゲットでは得られない感動だ。

ナマナマしくて、苦手な人もいると思う。しかし時には、こうして食べることの本質を思い出すのもいい。
(日々の糧への感謝は、単なる儀式ではない。)
そんなことを考えさせてしまうなんて......。

簡単だが、よくできた料理である。