いちご狩りの謎
2005年 生活 健康 食事──いちご狩りに行ってきた。
かなり本気で食べたかったので、時間制限のないところを選んだ。
また事前にスーパーで同じ品種を買って、試食しておいた。
「うむ。この品種ならたくさん喰えそうだ!」
ざっと計算すると、1人40個も食べればモトがとれる。
「よし! 1人100個めざそう!」
そんなこんなで、本番の日がやってきた。
◎
──スタートから10分。
もう満腹になってしまった。あっという間だった。
時間制限がないのに、アセって喰ってしまった。愚かすぎる。
ペースを落として、1つずつを食べていく。
おなかの中が、ジャムになったような気がする。
不思議なもんだ。
スーパーで買ったときほど甘く感じない。思ったほど食べられない。
同じ品種である。甘さも、たぶん同じなのに……。
パック入りのいちごは、高級品だ。
だから、1ツブ1ツブを、惜しむように食べる。
この貴重さが、甘さを引き立てているのかもしれない。
◎
──さらに5分が経過。
私が60個、妻が40個くらい食べただろうか?
さすがに、もう喰えない。
私たちはハウスを出て、外の風を浴びた。
2月の風が、ほどよく冷たい。駿河湾がまぶしい。
さて、帰るか。
しかし、最後のいちごを食べておきたい。
ちょっとした興味から、私は1段下のビニールハウスに入ってみた。
もっとも甘そうないちごを選んで、クチに放り込んだ。
「あ、甘いッ! 甘すぎるぅ!!」
私と妻は、モーレツに驚いた。
スーパーで食べたものよりも甘い! どうなっているんだ?
◎
結局、私たちは深追いをせずに帰った。
下段のビニールハウスに入っちゃいけないわけじゃない。
あえて、甘さの謎を解かないことにした。
なぜ、甘かったのか?
- 舌が休まったので、甘さを感じた。
- いちごを選ぶ目が鋭くなって、たまさか甘いのを選んだ。
- 下段のハウスは、私たちのハウスよりも甘くなっていた。
下段のハウスに再突入したら、どうなっていただろう?
すっごく甘くて、美味しくて、さらに食べられたかもしれない。
あるいは、甘いのは最初だけで、ほどなく落胆したかもしれない。
本当のところはわからない。
しかし、この謎が残ったおかげで、楽しみが増えたように思う♪