ヒラ家・麻婆豆腐
2005年 食べる 食べるヒラ家はいま、麻婆豆腐に凝っている『陳麻婆豆腐』を食してからは、さらに熱が入った。
最近......なんとなく道が見えてきた。納得の味を完成させたわけじゃない。そこへ至る方法がわかってきた......ように思う。
──麻婆豆腐の材料は、驚くほど少ない。
豆腐と挽肉、長葱だけだ。味のポイントは調味料の組み合わせにある。
- 豆板醤(トウバンジャン)は独特の辛さ。小さじ4杯から先は危険。
- 甜麺醤(テイメイジャン)は甘み。味噌+砂糖でも可。風味が変わる。
- お酒は紹興酒が基本。老酒/日本酒でもいい。多すぎるとキツイ。
- 豆鼓(トウチ)は塩辛い。醤油で代用できそうだ。
- 中華(鶏ガラ)スープは、濃さより量が難しい。
- 片栗粉は後から足したり引いたりできない。鍋と皿では感覚がちがう。
- 辛さが足りないときは、食前の唐辛子でもカバーできる。
- ヒリヒリしたいなら花椒(ホワジャオ)。ヒラ家ではあまり使わない。
- 熱々が美味しいから、手際よく。調味料は先に合わせておけ。
なにを足すと、どんな味になるか? なにを引くと、どんな味になるか?
味の仕組みが、なんとなくわかってきた。わかってくると、楽しくなる。本に書いてあるとおりに作るのではなく、イメージする味に近づけられるようになってきた。
とはいえ、いまだ仕組みがわからないブラックボックス調味料もある。香味野菜(にんにく、しょうが、ねぎ)の扱いも難しい。豆板醤もメーカーによって風味が異なる。
これらを駆使して、思い描くバランス(味わい)を作り出す。
納得の味、『ヒラ家・麻婆豆腐』の完成には、まだまだ時間がかかりそうだ。
──道は遠い。
だが、この調子で歩いていけばたどり着けそうだ。