老人にも仕事を

2005年 政治・経済
老人にも仕事を

祖父に、仕事をさせたいと思っている。

家の手伝いのような、おつかいレベルじゃない。
わずかでもお金がもらえる仕事がいい
なにか内職のようなもの。食玩の組み立てとか、色塗りとか……。

お金が欲しいわけじゃない。
お金が払われるのは、その仕事に価値があるということ。
その仕事を社会が必要としている証拠なのだ

──昔、誰かがこんなことを言った。
《老人を老人扱いすると、どんどん老人になってゆく》
けだし名言だと思う。

そりゃ、老人に苦労をさせたくない。家族に身をゆだね、不自由ない暮らしを送ってほしい。だが、それで十分だろうか? なにもせず、朝から晩まで寝ていることがシアワセなのだろうか?
介護とは、死を先送りする努力ではないはずだ。

……いや、偉そうなことをいう資格はない。
老いや介護について、私はなにも知らないし、知ろうともしなかった。だから現状を批判するつもりはない。ただ、自分の将来については考えてみたい。

Q.どんな風に老いて、どんな風に死にたいか?
A.私は……仕事をしながら死にたい!

趣味にふけるのはいい。だが、自分の好きなことだけやりつづけるのは、あんがいツライと思うのだ。
心身が衰えても、なにか意味のあることをしたい。
社会の役に立つことをしたい。誰かに必要とされたい。
誰かに必要とされるから、生きていたいと思う。
そう考えるのは、おかしいだろうか?

せっかく会社があるのだから、考えてみたい。
老人にもできる仕事はないか?
いや、老人だからこそできる仕事はないだろうか?

※写真は『老人と海』

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