いちめんのなのはな

2005年 食べる 食べる
いちめんのなのはな

──自分で摘んだ菜の花は、いかなる味か?

その前、菜の花についておさらいしよう。

菜の花(ナノハナ)
  • 油菜(あぶらな)科の越年生草本。
  • 英名:rape blossoms  学名:Brassica campestris
  • 別名:油菜(あぶらな)、花菜(はなな)
  • 開花時期:2月から5月
  • 「野菜(菜っ葉)の花」という意味から「菜の花」になったらしい。
  • 「菜の花」とはアブラナ属栽培植物の総称。ダイコン、ハクサイ、キャベツ、タカナ、カラシナ、カブ、ブロッコリ、カリフラワー、クレソンなど多くの野菜が同じ仲間(アブラナ科)に属する。
  • 種子からは菜種油(なたねあぶら)がとれる。絞りかすは肥料になる。花蜜はハチミツとして集められた。
  • 昔は食用よりも灯の油としてなくてはならない作物だったので、全国で大量に栽培された。そのため春になると、そこかしこが一面黄色に染まったらしい。
  • 見渡すかぎり黄色の菜の花畑。そんな情景の中、このような歌が詠まれた。
菜の花や 月は東に 日は西に ──与謝蕪村(よさぶそん)
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
かすかなるむぎぶえ
いちめんのなのはな

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
ひばりのおしやべり
いちめんのなのはな

いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
やめるはひるのつき
いちめんのなのはな。
──山村暮鳥(やまむらぼちょう

さて、摘んできた菜の花は、一晩水につけておいた。なんだか雑草のように見える。スーパーで市販の菜の花を買ってくる(198円)。比べてみると、茎の長さ、太さが揃っているし、蕾が小さい。これらを、同じ味付けでおひたしにする。

結論からいうと、野生でも問題なし
市販品に比べると、ちょーっと苦みがあるけど、遜色ないね。苦いのは蕾や花の部分で、茎には甘みがあった。つまり、もっと蕾や花を避けておけば、区別はつかなくなっただろう。

うまかった。
しゃれた言い回しをするなら、春の味だった。また喰いたくなったら、河川敷の菜の花を摘んでやろうかと思う。
自分の中で、サバイバル能力がちょっとアップした気がする。