好きだから
2005年 政治・経済好きな女性がいる。もう長い付き合いだ。
彼女を通して学んだことは多い。しかも、会うたびにお金をもらっている。
ときおり喧嘩する。その理不尽さに、嫌気が差すこともある。うんざりして別れたこともある。だけど、しばらくすると元の鞘に収まっている。私は彼女を求め、彼女も私を求めている。
◎
彼女のことが好きだ。
そう言うと、周囲は怪訝な顔をする。
「彼女が好き? そんなアホな?
好きとか嫌いとか、そーゆー関係じゃないよ。
ギブ&テイク。求めることをして、対価をもらうだけだ。
彼女が好きだと思うのは幻想にすぎない。奴隷根性だよ。」
──そうなのだろうか?
たしかに、彼女は喜びだけでなく、苦しみも与える。私を惑わせ、悩ませる。それでもなお、彼女のところに戻るのはなぜだ? 結局、金が目当てだったのか?
そうではないと思いたい。彼女なしの人生なんて考えられない。それゆえ、私は彼女から自由になりたい。お金やシガラミがなくても、ふたたび彼女を選ぶことを証明したい。
好きな人を好きであるために、その人から自由でいたい。
◎
つまり……仕事の話だ。私は仕事が好きだ。
そう言うと、周囲は怪訝な顔をする。