果実をとる方法 【中】

2005年 哲学 果実をとる方法
果実をとる方法 【中】
あらすじ

私とGは、共同で長編小説を書いていた。それを出版社にモチコミしておきながら私たちは逃げた。この日から、私とGの道は分かれた。私とGは、異なる方法で、"小説家という果実"を手に入れようとしたのだ。

 その後、友人Gは翻訳家を経てライターになった。今では、Amazonで検索しても十数冊がヒットする。Gは、小説家という果実に向かって、煉瓦を積んでいった。文筆家としての技術や経験、実績があれば、果実に手が届くと考えたわけだ。

 一方、私は外に出るようになった。いろんな仕事を転々として、世の中を見るようになった。私は、小説家という果実に向かって、ジャンプ力を鍛えたわけだ。アイデアや視点の豊かさがあれば、果実に手が届くと考えたのである。

2000年(29歳)

 あれから10年の歳月が流れた。
 2人とも、まだ小説家にはなれていない。

 Gは、文章スキルは高くなった。ほんとうにうまくなった。だけど、引きこもり同然の暮らしのため、視野が狭くなってしまったように思う。
物語のアイデアを出し合っていると、どうにも頭が固い気がする

 私はなぜか起業していた。どうしてこんなことに? まぁ、世の中を見聞したおかげで、小さな感動を見つけることは得意になったが、それを表現するのは下手だった
読み比べると、Gの文章には負ける。

 そして、時計の針は動き出す──。
 果実をとる方法 【下】 がスタートした。
 このあとは、【完結編1】、【完結編2】とつづくかもしれない。

 まだ終わらんよ。

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