ストレス解消法
2005年 政治・経済ここんとこ、ストレスでまいってた。
ストレスで胃が痛くなるなんて、生まれて初めての経験だった。
本当につらかった。
人間の精神は、天秤みたいなものだ。
片方に好きなこと、もう片方にイヤなことを乗せる。
好きなことが大きければ、イヤなことにも耐えられる。
好きなことが小さいのに、イヤなことだけ大きくなれば、天秤は傾く。
ひどければ、天秤は壊れてしまうだろう。
好きなことは終わったのに、イヤなことは終わらなかった。
そのため、精神の均衡が崩れた。
ストレスは蓄積され、爆発寸前となる。ひどい状態だった。
私は苦しみながら、考えた。
(みんなは、どうやって苦しみに耐えているのだろう?)
◎
聞いてまわると、その答えはあんがい冷ややかだった。
「そのくらいのストレスなら、日常茶飯事ですよ。」
「ストレスがつらい? そりゃ、仕事ですからね。」
「ストレス解消法? そんなの聞いて、どうするんです?」
まるで、ストレスに耐えるのがオトナ、と言わんばかりだった。
勧められたことはやってみた。
食べる、寝る、遊ぶ、お風呂、マッサージ、音楽、ゲーム……。
いろいろ試してみたが、どれもストレスを消してくれることはなかった。
◎
そんなストレスフルな日々も、金曜日に終わりを告げた。
正確には終わっていないが、ストレスは大きく減るだろう。
つまり、ストレスの元凶をやっつけたのだ。
直接殴れないので、裏工作を重ねてきたのだが、それがついに実ったのだ。いやほんと、もう駄目かもと思っていたけど、間に合ってよかった。
今回のケースを経て、私は思う。
私にとって、有効なストレス解消法は2つしかない。
1つ目は、逃げること。
自分の生活圏にストレスが出現したら、とっとと逃げる。
たいていの場合なら、私は逃げ切る自信がある。それだけ、私を縛るものは少ない。
2つ目は、やっつけること。
逃げられないなら、やっつけるしかない。
上司だろうが、クライアントだろうが関係ない。
勝てないと思うことが、負けなのだ。
癒しグッズも悪くはないが、本質的にそれは目をそらしているだけだ。
ストレスの元凶は消えないないから、翌日の朝にはまたストレスが増える。解決しないのに金を払うのは、二重の意味でストレスだ。
自分が逃げるか、相手を追い出すか。
それ以外の解消法はないんだと、ハッキリわかった。