萌えって、なんだ?
2005年 娯楽二次元だろうとフィギュアだろうと、かわいいものはかわいい。
リアルかどうかなんて、どうでもいい。
こころが感じることが真実なのだ。
こころが壊れているというなら、それでもいい。
だけど、最近はどうしちゃったの?
「萌え」は、私の理解を超えてしまったよ。
「萌え」とは、アニメや漫画などに登場する架空のキャラを好きになったり、興奮したりすることだ。
──なぜ、架空のキャラを好きになれるのか?
それは、記号の向こう側に意味を見ているからだ。感動があるからだ。
感動があればこそ、好きになる。興奮する。
感動なくして、「萌え」もない。
◎
……先日、とある作品を鑑賞した。
なんの取り柄もない主人公が、さまざまなタイプの美少女から、同時に、メタメタに愛されてしまうのだ。
(彼女たちは、コイツのどこに惚れているんだろうか?)
好意的に解釈しようとしても、わからない。都合がよすぎる設定に展開。もはや美少女たちは、「かわいい」ではなく「こわい」存在になっていた。
(この物語の主人公は、精神病院のベッドで夢を見ているのか?
それとも彼女たちは麻薬中毒で、脳ミソが溶けているのか?)
だが、真に驚嘆すべきは、この作品が売れていることだった。
この作品のどこに感動できる?
わかろうと努力したが、わからなかった。
この作品のタイトルは伏せておこう。アニメにも、漫画にも、それ以外にも、どうやら普遍的に存在するパターンらしいから。
◎
美少女キャラはかわいい。
「かわいい」という記号で構成されているのだから、そう感じるのは当然だ。しかしより大切なのは、記号の向こう側にある設定やストーリーではなかったか?
いささかズレるが、「仏造って魂入れず」という諺もある。
造形よりも、魂(意味・感動)が重要なのだ。
だからこそ、より強い魂を感じられるアニメや漫画、ゲームなどに傾倒していったのではなかったか?
それなのに、それなのに……。
最近のは、わけがわからない。