実力も運のうち

2005年 政治・経済
実力も運のうち

実力も運のうち……?

私の恩師でもあるT先輩が言っていたセリフだ。
運も実力のうち、なんて言えるのは学生まで。社会に出ると、実力よりも運が大きなウェイトを占めるようになる。どんな実力も、それが発揮される場所や、それを理解してくれる人がいなければ意味がない
T先輩はそう言っていた。

会社で考えるとわかりやすい。
実力があっても、それを使う仕事がなければ宝の持ち腐れ。いい成果を出しても、上司がぼんくらだったら評価もされない。活かすも殺すも、伸ばすも潰すも上司次第だ。
だが、部下は上司を選べない。どんな上司に巡り会うかは「運」次第、つまり実力を発揮できるかどうかも「運」次第というわけだ。

「がんばっているのに報われないのは、運が悪いからだ!」
と言いたいわけじゃない。
T先輩は、いい仕事をするだけじゃなくて、その仕事が評価されるように工夫していた。当たる確率を高めるよう、たくさんの手を打っていた。そして、実際に評価されていたと思う。

だがしかし……世の中にはいろんな人がいて、いろんなパターンがある。
大したこともしていないのに、やたらと評価される人がいる。
(この人は、自分より実力がある言えるだろうか?)

ものすごくがんばっているのに、気の毒なほど評価されない人もいる。
(この人は、自分より実力がないと言えるだろうか?)

「実力」と「実力が評価される環境を呼び寄せる才能(運)」では、どちらが人生を支配しているのだろうか?
T先輩にも答えはわからないようだった。

──私はこう思う。
負けているときは、実力のせい(運も実力のうち)と思うべし
努力や工夫が足りないと考え、がむしゃらに頑張った方がいい。

勝っているときは、運のおかげ(実力も運のうち)と思うべし
成功を支えてくれた周囲に感謝し、チャンスを活かした方がいい。

もちろん、割り切れないときもある。
そんなときは、これらを逆に考えることにしている。

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