笑顔で近づいてくるな

2005年 政治・経済 物欲
笑顔で近づいてくるな

最近、消費者金融のCMがやたらと増えた気がする。
電車の中吊りやフリーペーパーなども、かなり浸食された。
投資信託のセミナーや相談室など、「お金に関する広告」を一括りにすると、その割合は一気に高まったように見える。

どっちを向いても、笑顔、笑顔、笑顔。
にっこり笑顔で、
「お金、貸しますよー♪」「お金、困ってるでしょー♪」
と言われているような気がする。

(それだけお金に困っている人が増えたのだろうか?)
中吊り広告を見ながら、ぼんやり考える。
この広告のターゲットは、この電車に乗っている人たちだ。ふつーの人が、ふつーにお金に困る時代になったのだろうか。

借金そのものが悪いわけではない。
借金には時間を短縮する効果がある。うまく使えば、自分の力を何倍にも高めてくれる。やみくもに恐れる必要はない。
だが、注意すべき“諸刃の剣”であることも事実だ。

「ご利用は計画的に」というが、計画的ならご利用する(お金を借りる)こともない。お金を借りるということは、なんらかの失敗を挽回する、あるいは自分の許容量を超えたこと(収入以上の買い物など)に挑戦するという状況のはず。
とてもじゃないが、笑っている場合じゃない

そう言えば、こんな話を聞いたことがある。
笑顔とは、もともとは相手を威嚇する表情だったらしい。犬歯をむき出して、「噛みつくぞ」という意思表示だったそうな。
だとすれば、この気持ちも納得できる。

笑顔で近づいてくるヤツには、注意しなければならない。