愚か者との決別

2005年 社会
愚か者との決別

世の中、ウンザリすることが多い。
「ソイツがさ、めちゃめちゃ駄目なヤツなんだよ……」
「うちの部長は、とんでもない阿呆でね……」
「取引先がまた無理難題を吹っかけてきたんだ……」

要約するとこうだ。
「あー、愚か者とは付き合いたくないねぇ~」

そりゃ、そうだ。
誰だって、愚か者に付き合って破滅したくはない。
では、そのためになにができるだろう?

愚か者を付き合いたくないなら、関係を絶てばいい。
ソイツが駄目なら、チームから外せばいい。
部長が阿呆なら、会社を辞めればいい。
取引先が横暴なら、「お任せします」と言わせる説得力をもてばいい。

愚か者と決別したいなら、誰よりも強くなるしかない。
(それができれば苦労はしない……)というが、実際には、
(それができないから苦労するしかない……)のである。

世の中、ウンザリすることが多い。
しかし愚か者と決別することは不可能だ。世の中には、自分と関係している愚か者か、まだ関係していない愚か者の2種類しかいない。かたっぱしから愚か者を斬り捨てていったら、地球人口の9割は粛正されてしまうよ。それはすでに、どこかの愚か者が試したことだ。

愚か者と決別する自由なんてない。
だけど、どの愚か者と付き合うか、どう付き合うかを決める自由はあるだろう

だから、そんなに文句を言うな。
文句を言っても、なにも変わりはしない。
優秀な人物に囲まれた人より、愚か者とうまく付き合える人の方が、より遠くへ行けるんだぜ。

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