あなたの知らない出会い

2005年 社会 mixi
あなたの知らない出会い

以前、『いつかどこかで』という日記を書いた。

ふだんは障害物でしかない人混み。
しかしその中の人たちには、みな顔があり、心があり、人生がある。何人かはmixiで日記を書くだろうし、さらに何人かは私と気が合うかもしれない。

そして、私は出会った。

オフ会の日、私は1時間早くから待ち合わせ場所に立って、これから訪れるであろう、「名前も顔も知らない友だち」を待っていた。

新宿だから、いろんな人がやってくる。
派手な人、みすぼらしい人、こわい人、きれいな人、うるさい人。
そのうちに何名かが、声をかけてきた。
「伊助さんですか?」

その瞬間、どうでもいい他人が、大切な友だちになる
無から有が生まれたような感動だった。

オフ会が終わって、ふだんの日常がはじまる。
数え切れないほど多くの人とすれ違う。
電車の中で、街角で、居酒屋で……ふと思う。

  世の中は、思っている以上に広いのかもしれない

──怖れ、疑念、不安、あるいは過去のトラウマ。
そんな感情が、他者との接触をさまたげる。狭い範囲を往復するだけの暮らしを、当然と思うようになる。
子どものころは、もっと気軽に人と知り合えたのにね。

世界は可能性に満ちていている。
ただ私たちが、それを引き出すすべを知らないだけかもしれない。