メイドの魂

2005年 娯楽
メイドの魂

しつこいが、メイドの話だ。

最近、メイド喫茶がはやっている。それ以前に、メイドがブームである。私もメイドは好きだけど……どうにも盛り上がれない。
なにかが違うような気がする。

メイドはいい。心が洗われる。

  かいがいしく働く。
    つつましく振る舞う。
      けなげに尽くす。

近ごろ、とんと聞かなくなった形容詞ばかりじゃないか。
自己の存在を主張せず、細かなところまで気を配り、黙々と仕事をこなしていく。華美に走らずとも、その素晴らしさは隠しきれない。男尊女卑と言われるかもしれないが、これこそ古来より受け継がれてきた女性の美徳であろう。

──失われた美徳。
その象徴として引っ張り出されてきた言葉が「メイド」である。「召使い」や「女中さん」ほどストレートじゃないので、日本人には妄想しやすかったのだろう。

メイドを前にするとき、男は主人となる。つまり家を守る存在だ。男は、メイドに奉仕されるにふさわしい人物であろうとする。そしてメイド(女)は、そんな主人(男)を影ながら支え、その疲れを癒やすものとなる。
主と従は、こうして互いを高めていくのだ。

  男は強くあれ、女は優しくあれ!

考えが古いと笑うなら笑え。だが、人間の本質に訴えかけるものがあるのはまちがいない。「メイド萌え」の背景には、こうした原点回帰の願望があると私は考えている。

「メイドさんだニョ~♪」


おまえのような、メイドがおるかッ!

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