禁断の味・てんねん
2006年 哲学 考え事韓国料理を食べる会で盛り上がった話題の1つが「てんねん」。
天然(てんねん)
- 人の力が加えられていないこと。自然のままであること。⇔人工
- 本来の姿であること。生まれながらにして持っているもの。天性。
人間はホンネと建て前を使い分ける動物である。周囲や自分を守るために、わかったフリをしたり、わかってないフリをすることがある。状況に応じて自分を変容させるスキルなくして、現代社会を生き抜くことはできない。しかし自分を偽ることで、周囲や自分をよけいに傷つけてしまうこともある。
ところが、世の中にはそうした偽りがない(少ない)人もいる。
そういう人たちを総称して、天然(系)と呼ぶ。
天然(系)の人たちは天真爛漫だ。思ったことをクチにして、しかし敵を作らない。悪意がないので、悪意を返されないのだろう。
そして、とても魅力的だ。
その笑顔が見たくて、ついサービスしてしまう。
つい守ってあげたくなる。
◎
天然(系)に遭遇すると、そうでない人たち(人工系?)はため息を漏らす。そして、いびつな自分自身を呪う。
「天然の人がうらやましい! あんな風になりたいよ!
でも、あたしは無理!
どんなに努力しても、天然には勝てない。
天然は光、あたしは影よぉ~」
その場にいた全員が、うんうんと同意する。みんな、「自分は天然ではない」と思っているらしい。
しかし……本当にそうだろうか?
- 見知らぬオフ会にひょいっと参加する。
- 手品やグッズを披露する。
- スレスレの話題で盛り上がる。
- 出会って2回目くらいで、ツッコミの応酬。
- 自分の駄目っぷりを赤裸々に語る。
天然か否か?
神ならぬ身の私に、知り得ようはずもない。