"する" と "される"
2006年 哲学 考え事"する"と"される"では、どっちがいい?
高校のころ、知り合いの女の子に質問された。
あいまいな表現だが、意図するところはわかる。
つまり、こういうことだ。
誰かを愛することと、誰かに愛されることでは、
どっちがシアワセなのか?
私は「愛される方がシアワセだ」と答えた。
しかし彼女は、自分の答えを言わなかった。
彼女は、どっちがシアワセだと思っていたのだろう?
◎
あれから20年が過ぎて、考えが変わった。
変わっていたことに、最近、気がついた。
いまは愛されるより、愛する方がシアワセだと思う。
◎
ぶっちゃけ言えば、愛されているかどうかは不確かだ。
人の心は変わる。つねに一定の愛情を注げる人はいない。
愛されることを至上とすれば、その変化に振りまわされることになる。
一方、愛することは自分の中の真実だ。
自分でわかるし、自分で実感できる。
自分の気持ちを相手に伝えるか、見返りを求めるかどうかは別の話だ。
相手からの反射より、自分の中に光源があることを喜ぶ。
そう考えると、いろいろ楽になった。
思うように、ものごとを愛せるようになった気がする。