冥王星問題、まだつづくのか?

2006年 科技 宇宙 政治
冥王星問題、まだつづくのか?
国際天文学連合(IAU)が冥王星を惑星から「矮(わい)惑星」と位置づけたことに、米国科学界から異論が噴出。学者有志が反対署名を集め、米国天文学会の部会も異議を唱える声明を出した。

異議を唱えているのは一般世論ではなく、科学者たちのようだ。彼らはどうして反対するのだろうか?

  1. 惑星発見の名誉を残しておきたい
  2. 教育や慣習上の混乱を避けたい

どちらも科学者にはふさわしくない理由だ。

1は理解できなくもないが、発見の名誉は国ではなく個人にあるはず。発見者(クライド・トンボー)はすでに他界しているし、存命の奥さんも決議は受け入れている。他人があれこれ騒ぐのはおかしい気がする。野口英世のように、発見が後世の研究によって否定されることはある。しかしそれによって、功績の価値が失われることはないだろう。

2はさらに救いがたい。新しい発見や定義で、教科書の内容が変わっていくのは当たり前だ。むしろ刷新されることで、科学が進歩していることが実感できる。
科学者たちは、森羅万象のすべてを解き明かしたつもりになっているのだろうか?
教科書は「聖書」じゃないぞ

惑星定義に関するドタバタを見ていると、なんだか悲しくなる。
異議があるなら、署名(民意)ではなく論文(事実)で示すべきだ。

政治家や商売人が困惑するのは仕方がない。
しかし科学者たちは、科学的にふるまってほしいよ。