未来のライセンス管理

2006年 科技 物欲
未来のライセンス管理

ライセンス管理ってのは、意外に面倒くさい。

個人ならまだしも、たくさんの人が多様なソフトを使う企業ではパッケージやROM、シリアル、バージョンの管理は煩雑になりやすい。うっかり紛失したり、重複したりすれば、無駄に追加購入することになる。
ソフトウェアは高額資産なので、神経を尖らせる管理職も多い

近ごろはネットでユーザー登録できるようになったけど、あれは不正利用を防止する仕組みであって、運用管理は手伝ってくれない。

たとえば、10ライセンスを買っているところに11人目が着任したとする。新しく買うより、使ってない端末のライセンスを移し替えたいと思っても、どのPCにどのライセンスが入っているか追跡できないのだ。
結局、別途に管理表を作って、手と目でチェックすることになる。
※一部、例外あり。

なぜこうした管理機能がないかと言うと、ソフトウェアは売りきりの商品だからだ
メーカーにとっては、運用を手伝ったところで新たにお金が入ってくるわけじゃない。よけいな手間は増やしたくないのだろう。

しかしそこにニーズがある以上、いずれ誰かが実現するだろう。

ネット上で集中管理されたライセンス。
どの社員が、どのPCから、どのくらい利用しているかが一目瞭然。
ライセンスさえあれば、どのPCからもソフトを使用できる。
管理画面からライセンスを停止したり、許可できる。
重要なセキュリティパッチは、強制的にアップデートできる。
個人が勝手にソフトウェアを追加したり、削除することはできない。
各人の利用状況がわかれば、アップデートの必要性も判断しやすい。
あるいは、不正アクセスや勤怠も監視できる……。

こうなってくると、従業員も息が詰まるかもしれない。
まるで養鶏場のニワトリのように、指示(エサ)をもらって処理結果(たまご)を返すだけの存在になるからだ
しかしまぁ、業務命令には従わざるを得ない。

狭いパーティションに閉じこめられて、パーミッションに縛られる労働者。

そうなる前に、とっとと引退したいもんだ。