[書籍] プラネタリウムを作りました。―7畳間で生まれた410万の星 / やっぱりモノ作りはいいね

2006年 科技 宇宙 物欲
[書籍] プラネタリウムを作りました。―7畳間で生まれた410万の星 / やっぱりモノ作りはいいね

『プラネタリウムを作りました。―7畳間で生まれた410万の星』という本を読み終えた。

世界最高のプラネタリウムと称される「メガスターII」を、個人で制作した大平貴之氏の物語だ。読み終えて、やっぱりモノ作りはいいなぁと思った。
大平氏は私より1つ年下なので、なおさらジェラシーを覚えてしまう。

大平貴之氏
  • 1970年生まれ。小学生のころよりプラネタリウム作りをはじめる。
  • 1991年(21歳)、個人では製作不可能といわれたレンズ式プラネタリウムを完成。
  • 1996年(26歳)、電機メーカーへ就職するが、プラネタリウム製作はつづける。
  • 1998年(28歳)、170万個もの星を投影でき、重さわずか30kgの移動式プラネタリウム「メガスター」を公開。
  • 2003年(32歳)、星の数を410万個に増やすなど機能強化した「メガスターⅡ」を完成。同年フリーに。

メガスターOnline

迷いがない

本を読むかぎり、大平氏はまっすぐ歩いてきたように見える。
多くの人は「こんなことしてなんになる?」「もっと大切なことがあるんじゃないか?」といった"迷い"によって道を踏み外す。外圧によって夢を捨てさせるのは難しいが、本人に迷いがあればたやすく手放してしまう。そしてふたたび取り戻すことはできない。
1冊の本にまとめる過程で省かれたのかもしれないが、大平氏にはそういうブレがない。そこがすごいなぁと思った。

手で触れるモノはいいね

また、夢の実現がモノとして触れる点もうらやましい。
完成したプラネタリウムは、モノとして存在する。これ以上ないほど明確だ。私が取り扱っているものは手で触れないデータばかり。精緻に組んだとしても、途方もない規模になっても、いまいち実感できない。
もちろんモノのように経年劣化したり、破損することはないし、簡単に複製できる。それゆえ、ありがたみが湧かないんだよね

生きていくには目的が必要だ。夢と言い換えてもいい。
なにかを実現するため生きていると思いたい。
そしてそれは、はっきり実感できるものがいい

子供が生まれると、またちがうのかもしれない。


今年訪れたプラネタリウム