出張がある仕事、ない仕事
2007年 政治・経済 旅行正直にいうと、私の仕事に出張はない。
ないといったらない。まったくない。ぜんぜんない。
私は転職を繰り返してきたが、どの勤め先でも出張がなかった。
やがて私は、出張に飢えるようになった。
(あぁ~、出張してぇ~。
会社の命令で、会社の経費で、
みんなが働いている時間に自分だけ出張してぇ~)
しかし起業してしまったので、私に出張を命じる人はいなくなってしまった。起業したことに後悔はないが、出張がなくなってしまったのは残念でならなかった。
断っておくと、社長といっても好き勝手に出張できるわけじゃない。
それは私的な旅行であって、会社の経費を使うわけにはいかない。そして出張する(経費を使う)のなら、それを上回る収益を上げなければならない。出張はなお困難になってしまった。
それでも私はあきらめきれず、出張の機会を作るよう心がけた。
細かな努力の積み重ねによって、京都('04)、仙台('05)、浜松('06)、大阪('07)への出張を実現した。1年に1回の割合だな。
そして出張したら、現地で遊ぶようにしている。
遊ぶ費用はもちろん自腹だ。会社が補填するのは往復の交通費だけ。
出張と言うより、出張にかこつけた旅行みたいなもんだが、まま楽しんでいる。
あぁ、もっと出張してぇ~。
◎
一方で、世の中には出張が多い仕事もある。
日本列島を駆けめぐる仕事なんて、じつにうらやましい。
ところが、出張が多い仕事をしてる人ほど、出張を嫌悪している。
「出張なんてくだらないよ。
熊本だの、青森だのに日帰りで行ったところで、なんの楽しみもない。
飯だって、コンビニや定食屋ばっかりさ」
たしかに、旅の喜びは距離に比例しない。
何百キロ往復しても、やりたいことがやれなければ意味もない。
つまり自分が好きな土地へ、好きなときに、好きなだけ出張させてくれる仕事があればいいわけだが、そういう仕事に巡り会えた人はあまり多くなさそうだ。
趣味と実益をかねた出張を、もっと多く実現したいね。