共同作業のジレンマ

2007年 政治・経済 仕事
共同作業のジレンマ

自慢じゃないが、私は共同作業が苦手だ。

他人と呼吸を合わせることができない。
空気が読めない。協調性がない。
上半分はアナタ、下半分は私といった分業ができない。
やるなら全部やる。やらないなら全部やらない
これがいい。

技術が複雑化するにつれ、分業化が進んでいった。
相互の連携が弱くなったので、ちゃんと機能させるためには細かい指示が必要だ。しかし細かい指示を求める人は、細かく指示してもできない。こっちの苦労に見合わぬ、ヘタレなものが出てきたときは、相手の首を絞めたくなる。
細かく指示するくらいなら、自分でやった方が早いと思ってしまう。

「それじゃ社長としてマズイっしょ」
「もっとうまく人を使うんだよ」
「社長にしかできない仕事がおろそかにしちゃ駄目だ」
などと、よく言われる。

つまるところ、社長も1つのパーツなわけだ
周囲は私に、社長らしいパーツであることを期待する。
理解はできるが、賛同できない。
賛同できない作業に従事できるなら、起業なんかしない。

とはいえ、すべての仕事を仕切っているわけじゃない。
9割は放置プレイ……つまり「全部やらない」状態だ。社長不在でも作業は進み、見積もりから請求まで処理される。そして残る1割(新規開拓)は余人を交えず、社長が単独で仕上げている。

こうなると、なんのために会社を興したのかわからない。

私は共同作業をしたかったのか? 避けたかったのか?
私が欲しかったものは仲間なのか、道具なのか?

……なんか飲みたい気分だ。