9割の無駄
2007年 政治・経済 考え事なぜ、ツメコミ(記憶)は嫌がられるのだろう?
1つ前の日記で私は、記憶力をおろそかにしてはならないと言った。
それは、記憶する時間を大切にしろという意味でもある。
学校教育だけじゃない。社会に出たり、新しいステージに入れば、まずは記憶……ツメコミだ。しかるのちに、足りないところを検索する。いきなり検索しても大した結果は出ない。基礎なくして応用はないからだ。
しかし最近は、こうした基礎(記憶すること)をいやがる風潮がある。
いわく「そんなことを覚えても意味がない」
いわく「使うどうかわからない知識を詰め込むのは非効率だ」
いわく「知識が増えると、柔軟な発想が失われる」
「グダグダ言わねぇで、とにかく覚えろ。話はそれからだ!」
などと命令すれば、猛烈に反発される。
なぜだろう? 理由は2つ考えられる。
- ツメコミ教育で痛い目にあっている
- 先生や上司、先輩を信用していない
多くの人は学校でツメコミ教育を受ける。
しかし実社会に出ても、覚えたことを使うチャンスがない。無駄なことを教えられたとショックを受ける。これ以上、無駄な教育(ツメコミ)は受けたくない。
──これが1点目。
しかし一方で、ツメコミ(基礎学習)が必要なこともわかってる。
あとで使う知識もあるから、最初から効率的に覚えることはできない。手間を惜しんでスキルを得られるはずもない。それはわかってる。問題は、自分に「いいから覚えろ」と命ずる先生や上司、先輩を信用できないことだ。
──これが2点目。
誰だって無駄なことはしたくない。
だけど、なにが無駄で、どれに価値があるか見分けがつかないから勉強しているわけで、師匠(の判断)を信用できないなら、ものを教わることは難しい。
◎
自分の過去をふり返ると、まぁ、無駄の多いことよ。
学校教育だけじゃなく、会社で教わったことも役に立たなかったことが多い。しかし自分の意志で勉強したことも、すべて役立ったわけじゃない。
結局のところ、記憶(ツメコミ)の9割は無駄で、役に立つのは1割くらい。
その1割をつまんで食べられないのが、人生なんだよねぇ。