第一発見者
2007年 生活 日常ぼんやり歩いていると、「手」が落ちていた。
ゴミ捨て場のビニール袋から、男性の手がのぞいている。
その瞬間、頭の中を「死体」というフレーズが駆けめぐった。
な、なんてこった!
ついに私は、死体の第一発見者になってしまったッ!
警察への供述にそなえ、私はカメラで状況を撮影しておくことにした。
よく見てみると、落ちているのは手だけ。
人間の身体が隠れているようには見えない。
てゆーか、これはマネキンですよ。
◎
私は周囲をきょろきょろと見渡した。
物陰でクスクス笑っているヤツはいないようだ。
数分後、私はその場を立ち去った。
やれやれ。