先が見えない人たち

2007年 政治・経済 仕事
先が見えない人たち

「気がつけば中年で下流 35歳を超えて先が見えない」

という中吊り広告が目にとまった。
その雑誌は読まなかったけど、内容は想像できる。格差社会の負け組の悲惨さを訴えているのだろう。似たような記事はどこでも読めるし、テレビでも特集されている。

ふと、考えてみた。

「先が見える35歳なんて、いるんだろうか?」

ワーキングプアの実態や、政府の救済の話はさておく。
そういう話ではなくて、そもそも人生は、先が見えないものだ。だからみんな、先が見えるように努力する。先が見えたら、さらにその先に挑戦する。どんなに準備しても予想外のことは起こるものだし、社会も自分も変わっていく。
だからつねに先は見えない。当たり前の話だ。

そんなに先が見えるようになりたいのか?
35歳で課長に、37歳で第2子誕生、39歳の部長になって、41歳で大プロジェクトを任され、45歳でローンを完済して、49歳で……。
まるでイベント消化みたいな人生だ

ガチガチに決められているわけではなく、
自由に行動できるが、失敗しても救済が約束されていて、
飽きないよう状況は変わるけど、
混乱しないよう説明してもらえる人生がお望みか?

なめんな、コラッ!

本当に貧しく、不安定な人もいるだろう。
運の悪くて、不遇な暮らしを強いられている人もいるだろう。
しかし最近の風潮を見ていると、いたずらに不平不満を漏らしているように見える。

「先が見えなくて不安だ」

そう言えるだけのことをしたのか、聞いてみたくなる。