食べ物が減っていく
2007年 政治・経済 スーパーにて 日常 海外 社会チーズ、マヨネーズ、コーヒー、ワイン、小麦粉、マグロ......。
ここ最近で、いろんな食品が値上げされた。
企業努力による吸収も限界に達し、「軽・薄・短・小」といった細工も追いつかず、ついにダイレクトな値上げに踏み切ったわけだ。
原因は複合的だ。
ガソリンは政情不安、ヨーロッパからの輸入品はユーロ高、小麦粉は異常気象による不作、そして中国の消費量が爆発的に増えたことも影響している。また、日本の食糧自給率が4割を切ったこと、日本の国際競争力の低下、可処分所得の低迷なども無関係ではない。
どの要素も「来年はよくなる」と言えないものばかりだ。
日本は少しずつ貧しくなっていく。
むしろ、今までが異常だったのだ。世界中のうまいものを掻き集めて、贅の限りを尽くしていた時代は終わった。日本は、世界の平均的な豊かさ(貧しさ)に堕ちていく。そのことに、私たちは耐えられるだろうか?
まぁ、日本だけの問題じゃないから、結局は耐えるしかない。
量や質の低下はゆっくり進むだろうから、私たちは気づかないかもしれない。また、人口の減少と生産の効率化がうまく進めば、悲観するほど劣悪にならないかもしれない。
◎
そこで私は考える。
- どうすれば質のよい食材を、安価に仕入れられるだろう?
- そうした食材を無駄なく、おいしく食べるにはどうしたらいい?
- 余った食材は、どのように保存するのが適切か?
- 食材がよくないときは、どのくらい料理で挽回できるだろう?
たっぷり稼げば、値段など気にせずに済むかもしれない。
しかしその日食べたいものを、ちょっとずつ買ってくるようなスタイルは、いずれ行き詰まると思うし、あまり幸福を感じない。
食生活をもっと真剣に考えなければならない。
いや、もっと真剣に考えたいと思う。それはたぶん、昔はみんなやっていたこと。日本が豊かになったので、つい考えなくなってしまったことだと思う。
スーパーで買い物しながら、ふと、そんなことを考えてみた。