AED(自動体外式除細動器) / そのとき、動けるか?

2007年 生活 日常
AED(自動体外式除細動器) / そのとき、動けるか?

昨年ごろから、空港や地下鉄でAEDを見かけるようになった。

AED(自動体外式除細動器)は、電気ショックによって心臓の働きを戻すことを試みる医療機器のこと。映画やドラマで、医師が患者に電気ショックを与えるシーンを見たことがあるだろう。あの装置(除細動器)を、一般の人でも使えるよう自動化したものがAEDだ。

──ちょっと想像してみよう。
地下鉄のコンコースを歩いていたら、目の前で人が倒れた。意識がなく、呼吸も止まっている。誰かが救急車を呼んだ。
ここでボーッとしてたら、この人はたぶん死ぬ
救急車が到着するまで平均6分強かかる。しかし心停止3分後の死亡率は50%、呼吸停止6分後の死亡率50%だ。待っている余裕はまったくない。今すぐ人工呼吸とAEDによる心肺蘇生をしなければッ!

だが、訓練を受けてない人がいきなり使えるだろうか?

心肺停止による急死は、珍しいことではない。
いつでも、どこでも、あなたにも、あなたの家族にも発生しうる。だから空港や学校、球場、駅などに多数のAEDが設置された。しかし...どれほどの人がAEDの使い方を知っているだろう? 正常な人に使用しても電流は流れない。また音声ガイダンスで注意事項も教えてくれる。だけど緊急事態で、知らない装置に手を触れる人はまずいない。
いのちを救って感謝されるより、まちがった医療行為で処罰される方が怖いからだ。

ものには順序があるから、まずAEDを設置するのはいい。
しかし「仏つくって魂いれず」ではないが、使い方のレクチャーがなければ効果は望めない。こういう知識は、学校で教えているのだろうか? 授業で1時間レクチャーすれば、その子が誰かのいのちを救える確率はぐっと高まるだろう。

年金もそうだけど、国民全員が知っておくべきことについては、行政指導があってもいい。やる気のない避難訓練より、ずっと大切なことだと思うけどね。

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