強者はなお礼儀正しく
2007年 社会 スポーツ 時事ネタ
ヒーローと怪物は、コインの表と裏のようなものだ。
どちらも大衆にない"強さ"をもっている。"強さ"とは腕力だけじゃない。スポーツ選手、兵隊、政治家、資産家、マスコミ、上司、美人なども、他を圧倒する"強さ"をもっている。こうした強者が粗暴な態度をとると、見るに堪えないものとなる。
すでに「人の心は金で買える」と宣言した資産家は告訴され、不機嫌な態度をふりまいた美人女優はこき下ろされ、今はチンピラまがいのボクシング一家が弾劾されている。同じくらいの強者がみんな叩かれているわけではない。礼儀をわきまえない強者は、怪物として排除されるのだ。
大衆とは不思議なもので、強者のわがままを一時は受け入れる傾向がある。粗暴な態度も、型にはまらないヒーローとして賞賛してしまう。すると強者も勘違いして、ますます態度が悪くなる。しかし風向きが変われば手のひらを返すのも大衆だ。"強さ"によって封じていた反感は、一気呵成に強者を押し流してしまうだろう。
強者ほど礼儀正しくあるべきだ。
強者は自分の不作法に気づきにくいし、弱者の反感は見えにくい。「素のままの自分を出したい」とか「自分らしく生きたい」といった要望も、弱者が言うのはかまわないが、強者が言えば威圧になってしまうのだ。
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そして"強さ"とは相対的なものだ。私が反感を覚える強者もいれば、私に反感を覚える弱者もいるだろう。自分を強者と思っている弱者も、自分を弱者と思っている強者も同じことだ。
礼儀は社会が押しつけるルールではなく、社会で生きていく知恵なのだなぁと思った。
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