タイムカプセルの途中開封

2008年 科技 マンガ 考察
タイムカプセルの途中開封

 実家に残してきた荷物を片付けることになった。

 部分的にリフォームすることになり、私に荷物を置いておくスペースがなくなってしまったらしい。封印された段ボールをひもといて、中身を吟味する。それはまるで、タイムカプセルのようだった。

 学校で書いた小説、イラスト、漫画、粘土細工……。
 絶版になった漫画、アニメの設定資料集、カセット文庫……。
 雑誌の切り抜き、占いの結果プリント、銀塩写真……。
 テーブルトークRPGのルールブック、フィギュア、キャラクターシート……。

 なんとも中途半端なモノばかり。家を出るとき不要なものは捨てた。必要なものは持っていった。だから残っているのは、必要ではないが、捨てられなかったモノばかり

 あれから十数年──。
 捨てられなかった理由を忘れるほどの時間は経っていなかった。

 実家で数時間悩み、半分は捨てた。残りは決めきれず、クルマで自宅に持ち帰って、さらに悩んだ。
 昔の本は、捨てる前に一度読んでおこうと思ったら、もう駄目だね。どっぷり読みふけって、捨てられなくなる。保留、検討、未決と、ちっとも減らない。不審な封筒は、中身を見てまた元に戻すを繰り返した。

 それでも、さらに半分くらいは捨てた。最初に比べ9割近く減ったが、これ以上はもう無理だ。2008年の私には、判断できない。

 残った品は段ボールに封印して、2018年ごろの私に託そう。