Wii日記(8) Wiiのある家、広い家
2008年 娯楽 Wii ゲームWiiというゲーム機は、ちゃんとした家庭のためにあるのだろう。
Wiiで(楽しく)遊ぶためには、いろんなものが必要になる。大きなモニタ、リモコンを振り回せる空間、疲れたときに座るソファ、無線LAN……。テレビCMを見るとわかるが、Wiiは本質的にパーティーゲームだから一緒に遊ぶ仲間も必要だ。しかし時間や気持ちに余裕がないと家族は集まれないし、部屋が片付いていないと友だちも呼べない。
『Wii FIT』の場合、条件はさらに厳しくなる。バランスWiiボードの周囲に2m四方の空間がなければポーズがとれないし、『ジョギング』や『踏み台ダンス』といった種目は音や振動を出すので、壁が薄かったり、階下に他人が住んでいるアパートでは厳しい。『Wii FIT』をフルに楽しむなら、一軒家もあわせて買いたいところだ。
Wiiはこれまでゲームをしなかった層を開拓した。逆に言えば、これまでゲームをやっていた層はターゲットから外れている。ガラクタの積もった狭い部屋で、独りで楽しむようなゲームじゃない。座布団1枚分の空間があれば熱中できたファミコンやPlayStationとは、まったく異なるゲームなのだ。
私の家はハッキリいって狭い。寝室にテレビを置いて、布団を片付けて遊んでいるのだが、それでも手や足が壁にぶつかってしまう。さいわいアパートの1階だから『ジョギング』はできるけど、夜は無理だ。散らかっているので人を呼ぶのも抵抗がある。
Wiiで遊んでいると、部屋が狭いことや、子どもがいないことを意識してしまう。37歳にして、自分が「ちゃんとした家庭」を築けていないと痛感する。べつにCMに出てくるような、「ちゃんとした家庭」にあこがれていたわけじゃないけどさ。
いま遊んでいるWiiは、もうすぐなくなってしまう。
そのあとで自分たちのWiiを買うかどうか……悩んでいる。