正常者のフリができるか?
2008年 政治・経済 仕事X先輩の会社で、精神鑑定テストが実施されたらしい。
なんでも同僚が KAROUSHI したとか。本当に KAROUSHI だったかどうかは別の話。とにかく会社は騒然となり、同じような事故(?)が起きないよう、従業員の精神状態をチェックすることになった。で、有名な機関が作成したというテストが配布された。
- Q.不意に大きな声をあげたくなりますか?
- Q.自分は正しく評価されていないと思うことがありますか?
- Q.夜、急に目が覚めてしまうことがありますか?
といった設問がずらずら並んでいたそうな。
「それで……どう答えたんです?」と私。
「そりゃ、無難な方にチェックを入れたよ」と先輩。
「え? 日頃の言動と違うじゃないですか!」
「当たり前だろ! 会社のテストに本当のことを書くわけないじゃないかッ! おかしなことを書いたら上司に呼び出され、訂正を求められる。無意味に自分の評価を下げる必要はないだろ」
「工 エ ェ ( ゚Д゚ ) ェ エ 工」
しばらく歩いてから、先輩は言った。
「つまりさ、常識力テストなんだよ」
「は?」
「あれは、正常者のフリができるかどうかをチェックしてるのさ。正常者のフリができなくなったら、異常者だろ? あんなテストで精神状況がわかるわけがない。あんなテストで異常と判定されてたまるもんか」
「……はぁ」
先輩は大会社に勤めており、今のところ、「いいペース」で歩いている。
大変なんだなぁ、と思った。